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F1チームは囚われるのか救われるのか? コンストラクターの浮き沈みを左右するコストキャップ制度の是非
posted2026/10/16 17:00
マクラーレンはコストキャップを生かし、近年復活を遂げた
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尾張正博Masahiro Owari
photograph by
Getty Images
マレーシアで行われたバーレーンGPと、続くシンガポールGPのパドックで話題に挙がったテーマが、F1における格差についてだった。
今季のシンガポールGPまで計17戦の表彰台は、上位4チームが独占。コンストラクターズ選手権のポイントを見ても、上位4チームが300点以上を稼いでいるのに対し、5位以下の7チームは100点以下にとどまっている。上位4チームとそれ以外の7チームとの差は昨季よりも広がってしまった。
F1が上位グループとそれ以外に分かれるという傾向は、いまに始まったことではない。そこでF1は、2021年にその歴史上初めて予算上限規則、いわゆるコストキャップを導入した。
コストキャップの罠
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コストキャップは、各チームが1シーズンに使える予算の上限を定めるもの。導入初年度は上限1億4500万ドルで、以後段階的に引き下げられている。2026年は2億1500万ドルとなったが、これは別枠で扱われてきた費用を統合するなど計算方法が変わったためで、上限が大きく引き上げられたわけではない。
この金額にはドライバーの年俸、最も高い幹部3人の報酬、そしてマーケティング・広報活動以外のすべての費用が含まれる。
コストキャップ導入以前は年間4億ドル以上の予算を費やすチームもいたことを考えれば、この制度によってチーム間の競争力は縮まるかに思えた。しかし、上位チームとそれ以外のチームの間に存在する溝が埋まらない状況はいまなお続く。
その理由として、逆にコストキャップ導入が影響していると語るのは、ウイリアムズのチーム代表を務めるジェームス・ボウルズだ。
メルセデスで長年エンジニアとして活躍した後、2023年からウイリアムズのチーム代表となったボウルズは、上位とそれ以外、両方のチームの事情を知る数少ない人物だ。
「私がこのチームに移籍してきて最も驚いたことは、上位チームにあるような多くのリソースがウイリアムズになかったことだった。かつてこのチームは設備への投資を実質的にまったく行なっていなかったからだ。そのため、ファクトリー内の基本的なシステムを上位チーム並みに揃えようとするだけで、数百万ドル、いや実際には数千万ドルを費やすことになった。すでにコストキャップが導入されて年間で使用できる予算は限られているので、システム整備にお金を使うと当然、マシンの開発費に回す予算は少なくなる。最悪の場合、アップグレードを計画していたいくつかのパーツをあきらめなければならないこともあった。つまり皮肉なことに、われわれはコストキャップの罠に囚われてしまったんだ」

