プロ野球PRESSBACK NUMBER
巨人ガルベスでも阪神メッセンジャーでもない…“史上最も勝った”外国人投手とは?「スラリと手足が長く、少し猫背」野村克也も落合博満も絶賛した男
posted2026/09/18 06:00
台湾出身の郭泰源。1984年11月、西武の入団会見
text by

太田俊明Toshiaki Ota
photograph by
KYODO
台湾にいた天才…西武が獲得
1962年に台湾で生まれた郭は、高校卒業後に社会人野球チームを持つ合作金庫に就職。台湾代表のエースとして、ロサンゼルス五輪の出場権をかけた日本との大一番に、9回2安打1四球完封という完ぺきな投球で勝利して、台湾をオリンピックに導いた。さらに1984年ロサンゼルス五輪本番では、予選のアメリカ戦で最速158キロを記録して、12奪三振2失点完投と世界を驚かせた。
五輪後、メジャー球団まで加わった争奪戦の結果、郭の高校時代から素質に注目して接触していた西武ライオンズが獲得に成功した。
日本プロ野球1年目の1985年は、4月8日の初登板の近鉄戦で完投勝利。4月は3完投で2勝0敗、防御率0.32という驚異の成績で、月間MVPを獲得する好調なスタートをきる。
ADVERTISEMENT
当時評論家だった野村克也は、ルーキーイヤーの春のキャンプで見た郭を次のように絶賛している。
野村克也も落合博満も絶賛
「ブルペンで投げている姿を見ただけで、〈これはモノが違う〉と思った。スラリと手足が長く、少し猫背なのは背筋が発達しているからである。体がムチにようにしなり、球離れが遅い。ステップした左足が地面に着いても右肩が出てくるのを我慢できるため、腕の振りが素早くなる。どこも修正する必要のないバランスから投げられるストレートは、『オリエンタル・エクスプレス』のニックネームにふさわしい速さだった。変化球も多彩で、カーブ、スライダー、シュート、フォークボールと投げ分ける。一番の武器である速球を生かす投球術もすでに身につけていた。なかでもスライダーはストレートに近いスピードがあり、打者の手元で鋭く変化した」(『プロ野球 最強のエースは誰か?』野村克也/彩図社)

