- #1
- #2
バレーボールPRESSBACK NUMBER
「酒飲んで、遊んで…しょうもない選手だった」男子バレー深津3兄弟の次男・深津貴之の運命を変えた一通のメール「日本代表のコーチに興味はあるか?」
text by

田中夕子Yuko Tanaka
photograph byItaru Chiba
posted2026/09/09 17:00
2022年からバレーボール男子日本代表でコーチを務める深津貴之(37歳)
2021年、コーチとしてVリーグを戦う最中に、それは突然届いた。
「日本代表コーチに興味はあるか?」
送り主を見ると「フィリップ・ブラン」と書かれている。嘘だと思った。確かに一度、東京五輪に向けた合宿を重ねる日本代表の練習に呼ばれ、球出しを手伝うことはあった。ただ、何度か会話をしたものの、当時コーチだったブランと深い話をした記憶はない。そもそも電話番号を知らないはずなのに、どうして自分に連絡してくるというのか。
ADVERTISEMENT
やっぱり嘘だよな。でも、万が一、これが本人だったら――。気になった深津は、豊田合成のスタッフを通じて日本バレーボール協会に確認。すると、やはり新監督就任が決まったブラン本人から送られたものだった。
「『まずお前の意志を確認したいから送った』と言われて。僕も『本当なのか嘘なのかわからなかったから確認した』と伝えました。でも、これが本当ならば、これほど光栄なことはない。家族にも、相談ではなく『行くから』と伝えました。快く『頑張ってきて』と送り出してくれた。それが(日本代表チームにかかわる)始まりでした」
2022年に日本代表コーチへ就任し、24年のパリ五輪には兄の旭弘とともに出場した。メダル獲得は果たせなかったが、ロラン・ティリ監督新体制でもコーチとして名を連ね、今度は弟の英臣と2028年ロス五輪を目指す。
兄弟だからと慣れ合うつもりはない――。そう言い切った深津が、英臣に対して抱く特別な感情がある。兄への思いとはまた異なる、その正体とは。〈つづき→後編〉


