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「1勝するのってしんどいなぁ」ヤクルト石川雅規がつぶやいた日…スピード全盛時代も貫いた“3次元の魔術”「挑戦できるのは幸せ」さらば小さな大投手

posted2026/09/02 11:51

 
「1勝するのってしんどいなぁ」ヤクルト石川雅規がつぶやいた日…スピード全盛時代も貫いた“3次元の魔術”「挑戦できるのは幸せ」さらば小さな大投手<Number Web> photograph by SANKEI SHIMBUN

引退を決断した登板は8月27日巨人戦。決意を秘めて先発マウンドに上がったが左肩を痛め1回もたず降板した

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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SANKEI SHIMBUN

 ヤクルトの石川雅規投手が今季限りで現役引退することを決断した。球界最年長の46歳。身長167cmと小柄な体ながら、卓越した投球術で現役投手では最多の188勝を積み重ねてきた。「小さな大投手」という呼び名に相応しい左腕の活躍を振り返り、2年前のインタビュー記事を公開します。〈初出:Number 1097号/2024年5月30日発売 成績、年齢などはすべて当時〉

「ブルペン映え」という言葉がある。

 SNSを意識した今どきの“映え”ではない。2月のキャンプなどのブルペンで一際目をひくピッチングを見せる投手を評する、いわば野球界の業界用語みたいなものだ。

「小さな大投手」の真骨頂

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 スパーン! と捕手のミットが快音をあげる豪速球。鮮やかな軌道を描く変化球……。さすがはエース、という類の「ブルペン映え」は間違いないのだが、こんな逸材いたんだ、という類は丁半博打だ。毎年キャンプの時期には話題となるが、いざ実戦になると打者を抑えられない。そしていつの間にか球界から消えていく……。いわば“2月の風物詩”のような投手は山ほど見てきた。

 そこへいくと石川雅規は全く「ブルペン映え」しない投手である。ストレートの球速は130kmそこそこ。変化球は多彩すぎて、もはや傍目では判別がつかない。さっとブルペンに現れ、飄々とテンポよく投げ込む。時折、ブルペン捕手にこう尋ねる。

「どう見える?」

 石川が意識しているのはいつも“打者目線”の球筋だ。

「ブルペンって正直、自己満足ですから。どれだけいいボールを投げようとバッターがいないので分からない。だから、自分よがりの練習をする場所だと思っています」

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