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甲子園の風BACK NUMBER
「プロにするか、美容師の道に進むか…」“甲子園優勝”智弁和歌山を「最も苦しめた男」の進路はどうなった? 公立校151キロ右腕の“決意”のワケ
text by

沢井史Fumi Sawai
photograph byHideki Sugiyama
posted2026/09/02 11:04
全国制覇を果たし、胴上げされる智弁和歌山の中谷仁監督。そんな強打の王者を苦しめた公立校の右腕が悩んだ「まさかの進路」とは?
その報道が出たのは今年の3月。あるセンバツ出場校との練習試合後の記事で、プロ注目とされながら実は美容師志望でもあることが明かされたのだ。
これまでマークしてきたNPBスカウトからしても、まさに「寝耳に水」の話で、半田(真一)監督のもとにも多くの問い合わせがあったという。丹羽自身も「色んな人から(美容師のことを)たくさん聞かれました」としたうえで当時のことをこう明かす。
「親からは猛反対されました(苦笑)。色々な人から、『何で美容師?』とも言われましたけど、実はずっと進路に関しては悩んでいたんです」
なぜ美容師に興味を持ったのか?
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初めて美容師という職業に興味を持ったのは、高校1年の冬だった。ちょうど野球シーズンがオフの時期で、実戦よりも地道な練習の日々でもあった。だが、野球に関して「実はうまくいかないことが多かった」時期でもあったという。
「地元の友達で美容師を目指す専門学校に通っている人が結構いて、美容師に関する話を聞いていくうちに、かっこいいなと思うようになったんです」
違った業界で活躍を夢見る同世代の友達が、時にはうらやましく思った。ただ、自分の目の前にあるのは野球。野球で頑張るしかないのは分かっていたが、この頃の丹羽は何をやってもうまくいかなかった。いっそのこと、野球のことは忘れて自分もそんな業界へ行った方が意外と合っているのではないか――。そんな気持ちになっていた。
半田監督にとっても丹羽の美容師志望の話は寝耳に水だった。
「丹羽は中学時代に(世界少年野球大会の)西日本選抜チームに選ばれるようなピッチャーでしたし、プロの世界に送り出すために二人三脚でやりながら、どうプロデュースしていくか。そんなことをずっと考えていたので。美容師志望の話を聞いた時は本当に驚きました」
もちろん進路については何度も話し合った。それでも本人は「絶対にプロに行きたいです」とキッパリ言い切るわけではなく、迷っていることだけを口にしていたという。

