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「引退するのに居残り練習」西武・栗山巧に聞いた「何をモチベーションに?」返ってきた答えに炭谷銀仁朗が唖然「変態やな、この人(笑)」レジェンドの素顔
text by

市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byJIJI PRESS
posted2026/08/30 11:04
炭谷が栗山を見送る日がやってきた(写真は2017年、通算1500試合出場を達成して炭谷から花束を受け取る栗山)
「今シーズンに入ってから、栗山さんに聞いたことがあるんです。『今、何をモチベーションに練習しているんですか?』って。引退宣言をしているのに、練習のあとに一人でマシン相手に打ち込むこともある。その気持ちはいったいどこから湧いてくるのか不思議だったんです。もちろん一軍の試合で結果を出したいという思いはあって当然やとは思いますけど……。そうしたら栗山さんは『技術の向上!』って言ったんですよ」
「変態やな、この人って(笑)」
炭谷は唖然としたという。
「変態やな、この人って(笑)。終わりが決まっている中、なんで技術の向上を目指すんだろうと思いました。何かあるんでしょうね。きっと栗山さんの中に“ひらめき”とか”やってみたいこと”とかが……。
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僕が同じ立場だったら、できない。気持ち的にできないと思います。開幕前にベルーナドームで一緒に自主トレをしたんですが、もう去年とは打ち方が違うし、新しいことやっている。あと1年なのに新しいことにチャレンジする、その勇気はすごいです」
実際、栗山の新しいチャレンジは功を奏し、4月には一軍に昇格している。「結果を残しているところがすごい」と炭谷は語る。
5シーズンの空白期間があるとはいえ、間近で見続けてきた炭谷にとって、そうやって最後の最後まで野球を極めようとする栗山の姿はどう映っているのだろうか。
忘れられない「2008年の栗山」の献身
「僕が入団した時から今日まで、それを普通にやるのが栗山巧だと思っています。周りの人はストイックで、職人気質というイメージを持っているかもしれませんが、もう僕からしたら仙人みたいな人ですね」
そして炭谷にとっての栗山は、もちろんプレーヤーとしても大きな影響を受けた選手の一人だという。
ライオンズが最後に日本一になった2008年、栗山はレギュラーでチームを牽引し、炭谷は一軍でその姿とチームの快進撃を目の当たりにした。
「片岡(易之、現在は保幸)さんが1番にいて、栗山さんが2番の役割という打線。今とは時代が違って、野球の考え方も違いますが、当時は片岡さんの盗塁の手助けをしたり、次に打つ打者のために自己犠牲を求められる打順でした。
僕は当時、試合にはあまり出ていなかったんですけど、その後、8番とか下位を打つことが多くなっていく中で、2008年の栗山さんの姿を見て学んだことが多いと実感しました。姿勢を見て、自然に学んだ感じです」

