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「言い訳にはならない」NFLで“日本人初得点”の快挙でも…レイダース・松澤寛政に“笑顔なき理由” なぜ「難しくない」はずのキックが決まらなかった?
text by

北川直樹Naoki Kitagawa
photograph byNaoki Kitagawa
posted2026/08/26 17:03
プレシーズンも含めて日本人選手初となるNFLでの得点を記録したレイダースのキッカー・松澤寛政
あるいはこの半年間、課題を克服するために取り組んできたことが、精密さに影響しているのかもしれない。フォームに手を入れれば、一時的に再現性が落ちることはある。
外から見れば、そう考えたくもなる。だが本人は、それを一蹴した。すべては自分のテクニック、自分のプロセスの問題である、と。
この頑なさをどう受け取るかは、読む人によって違うだろう。
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ただ、20歳まで競技経験がなく、自宅前の公園でひとりボールを蹴っていた男がYouTubeを教科書に、大学受験の失敗を経てアメリカへ渡り、全米学生オールスターに選ばれるまでに至った。その過程で、彼は環境を理由にしたことがなかったはずだ。
繰り返した取材でも、返ってくる言葉はいつも同じだった。
「まだ何も達成していない。次の1本に集中するだけ」
外野の見立てを引き受けない。それは弱さの裏返しではなく、ここまで彼を運んできたものではないだろうか。
現地27日、レイダースはサンフランシスコ49ersとプレシーズン最終戦を戦う。
松澤に与えられた時間は、もうその1試合しかない。8月30日に開幕ロースター53人が固まるまでに、ここまでの評価を“挽回”できるだけの成果が求められる。
機会が与えられるかどうかも、現時点では分からない。IPP(※松澤が入っている国際強化選手枠。練習生枠16人に加えて+1名の登録枠が認められる)という後ろ盾が、どのように作用するかも現時点では不明瞭だ。
「次にまたチャンスをもらえたら…」
「起きたことはもう終わったと思うんで、しっかり準備して、次にまたチャンスをもらえたら、しっかり頑張りたいなと思っています」
つづけて「日本のファンに向けて」と促すと、返ってきた言葉は短かった。
「本当に、頑張ります。よろしくお願いします」
日本国籍の選手として初めてNFLで得点を挙げた男は、その1点よりも、外した2本を見ていた。次の1本に向かうために。

