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「言い訳にはならない」NFLで“日本人初得点”の快挙でも…レイダース・松澤寛政に“笑顔なき理由” なぜ「難しくない」はずのキックが決まらなかった?
text by

北川直樹Naoki Kitagawa
photograph byNaoki Kitagawa
posted2026/08/26 17:03
プレシーズンも含めて日本人選手初となるNFLでの得点を記録したレイダースのキッカー・松澤寛政
ボールを蹴るという仕事は、1本ずつが独立してはいない。ひとつ決めても、すぐ次が来る。
前戦で反則になったキックオフが、精神的な負荷になっていたかどうかを、本人は語らない。ただ、NFLという世界最高峰の舞台に簡単なプレーがひとつとしてあるはずもない。影響がゼロだったとは思えない。
世界最高峰NFLの舞台…カレッジとの環境の変化は?
環境の影響についても聞いてみた。敵地の雰囲気、タイミングの難しさ……まだプレシーズンの2試合目で、変化も決して小さくないはずだった。
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「そういうのはあんまり関係なくて。結果として自分が2本連続で、ありえない形で外してしまったので。本当に自分のテクニックの足りなさだと思います。そこは言い訳にならないので……明日から練習頑張ります」
環境を理由にすることを、松澤は一切しなかった。感情的な話も出てこない。すべての結果を自分の出来として受け止め、それを言葉にした。この1週間の取り組みについて聞いたときも、答えは同じ方向を向いていた。
「最初のTFPだったり、キックオフの距離だったり、よくはできたかなとは思うんですけど……その後の2本を外して……」
語尾が消えた。ここで松澤が「キックオフの距離」を挙げたことには理由がある。第1戦の反則は、蹴ったボールがランディングゾーンに届かなかったことによるものだった。記録では41ヤード。飛距離が足りなかったのだ。
この1週間で取り組んだのは、おそらくそこのコントロールだった。実際、この日はキックオフで蹴ったキックは3本すべてが60ヤードを超えている。ボールの落としどころも問題なかった。
修正すべき課題は、修正できていた。ただ、外した2本のTFPは、距離の問題ではなかった。
TFPは、外から見れば短い距離のキックである。だが、スナップ、ホールド、キックの3つが揃って初めて成立するプレーでもある。誰か一人の呼吸がずれれば、結果は変わる。
現場で数時間、松澤だけを見ていて気づいたことが2つあった。

