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「言い訳にはならない」NFLで“日本人初得点”の快挙でも…レイダース・松澤寛政に“笑顔なき理由” なぜ「難しくない」はずのキックが決まらなかった?
posted2026/08/26 17:03
プレシーズンも含めて日本人選手初となるNFLでの得点を記録したレイダースのキッカー・松澤寛政
text by

北川直樹Naoki Kitagawa
photograph by
Naoki Kitagawa
4月のドラフト後にアメリカンフットボールの最高峰・NFLのラスベガス・レイダースと契約した“Tokyo Toe”こと松澤寛政選手が、8月20日のプレシーズン第2戦で日本国籍の選手として初めてNFLの試合で得点を記録した。歴史的な1点である一方で、この日タッチダウン後のキックの成功は3本中でこの1本だけ。9月の開幕ロースターが決まる最終カットまで、残された試合はあとひとつしかない。未踏の地の手前に立つ27歳を、ヒューストンの現場で追った。《NumberWebレポート全2回の2回目/最初から読む》
NFLでは試合後、ロッカールームがメディアに開放される。
松澤寛政の姿は、すぐには見当たらなかった。コーチに尋ねると、奥の部屋を指さした。「あっちにいるはずだ」と。外からでは見えず、部屋に入って探した。
勝利に沸き、着替えを進める仲間たちがいた。
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その間で松澤は一人、うつむいて静かに座っていた。
声をかけると、取材に応じてくれた。いつもメンタルが安定している印象のある選手だが、この日はさすがに堪えたのか、表情がナーバスに見えた。
最初に、第3QのTFP(※トライ・フォー・ポイント。タッチダウンの直後に蹴り、成功すれば1点が加わる)について尋ねた。日本国籍の選手として初めて、NFLのプレシーズンゲームで得点を記録した場面である。
歴史的な1点も…「言い訳にならない」
「まず1本決めて、その後のキックオフもしっかり蹴ることができて、やっと試合に入ることができたかなと思ったんですけど……その後は言い訳にならないので。またイチから頑張らないといけないなと思っています」
尋ねたのは、歴史的な1点について。だが、返ってきたのは外した2本の話だった。
この答えには、彼がフィールドで見せた振る舞いの説明が含まれている。歴史的な1点を決めた瞬間、松澤は喜ばなかった。彼が「試合に入ることができた」と感じたのは、TFPが決まった時点ではなく、その直後のキックオフまで蹴り終えたところだった。前戦で反則になっていたキックオフである。

