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《国立大理系卒のドラフト候補》「ほんとにそうかな?」常識を疑って進化した東京ガス・藤澤涼介の異色の野球人生
text by

熊崎敬Takashi Kumazaki
photograph byAsami Enomoto
posted2026/08/27 11:01
今秋のドラフト候補に名が挙がる藤澤。都市対抗野球でその実力を発揮できるか
フィジカルにも変化が出てきた。
「大学でスクワットの重量をかなり上げたら、出力がすごく上がり、高校では全然打てなかったホームランが打てるようになりました。足も速くなりましたよ。押しつけられてやるのではなく、自分で考えて取り組むことで力がついてきたんです」
藤澤は神奈川1部屈指の強打者として知られるようになり、2年生の秋季リーグでベストプレイヤー賞を受賞。表彰式では、吉田賢吾(日本ハム)や古謝樹(楽天)と並んでスポットライトを浴びていた。
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「あのとき吉田さんにプロ行けるよと声をかけていただき、チームメイトのみんなにも野球を続けたほうがいいよと言われるようになって、自信が出てきました」
2年秋の飛躍を機に、藤澤はついに野球を最優先する意志を固める。拘束の少ない研究室を選び、大学院ではなく社会人野球を目指す。「大胆な決断ですね」と率直に伝えたところ、意外な答えが返ってきた。
「野球が最悪ダメでもそこから勉強して院に行けばいいですし、そこで間に合わなければ1留して就活しようかなと。実際、そういう先輩もいましたから」
“理想郷”で力をつけ、見えてきた次のレベル
横浜国大での充実した日々を聞く中で、筆者はふと思った。これが強豪大学に行っていたら、どうなっていただろうと。
彼は少し考え込んで、口を開いた。
「上から押しつぶされていたかも。いまの自分はなかったかもしれないです」
高校時代の藤澤は「上からたたけ」という野球の“常識〞に対し、「ほんとにそうかな?」と疑っていた。そんな理系少年にとって、年功序列や伝統にじゃまされない横浜国大は理想郷だったのだ。

