バスケットボールPRESSBACK NUMBER
「僕の仕事が楽になる」八村塁&河村勇輝が戻れば“ホーキンソン依存”は解消されるのか? 男子バスケ日本代表に起きた“ポジティブの連鎖”の正体
posted2026/08/21 11:03
W杯アジア予選に向けて行われた韓国戦では、2年ぶりに日本代表に合流した八村塁や河村勇輝が出場した
text by

雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph by
Kiichi Matsumoto
沸き立つ湯の中に差し水をしたかのように、アリーナにぱんぱんに膨れ上がっていた期待感がその瞬間にすっと鎮まった。
開始15秒、河村勇輝からジョシュ・ホーキンソン、西田優大と回ったボールが、スクリーンを使ってフリーになった八村塁に送られる。久しぶりに日の丸を背負ったNBAプレーヤーは、ミドルレンジからのシュートをさも当たり前のように決め、軽くバックステップを踏んだ。
会場を埋めた1万3000人にとって期待通りのプレーのはずだった。むしろ、あまりに期待通り過ぎて、虚を突かれたようになったのかもしれない。続けざまに八村は、ペイントに鋭く切り込んだ河村からのパスを受け取り、涼しい顔でスリーポイントを沈めた。もうあっけにとられる必要はなかった。そうだ、これが見たかったんだと我に返ったように、場内は一気にヒートアップしていった。
八村塁が何度も口にした「責任」
ADVERTISEMENT
8月15日、東京・有明アリーナでの韓国との親善試合。サウジアラビア、カタールと対戦する月末のワールドカップ・アジア予選に向け、日本代表に2年ぶりに八村が合流。日本のファンの前でプレーするのはおよそ5年ぶりのことだった。
日本の誰も足を踏み入れたことのない領域で戦ってきた男が、久々の代表活動に向けて繰り返し口にしたのは「責任」と「役割」だ。
「僕らも代表の中で年上になってきて責任感が増えた。日本のバスケを引っ張っていくように頑張らなきゃいけない」
「いまは日本のバスケは黄金時代だと思いますし、それを無駄にしてはいけない。チームのケミストリーを崩さないように、自分の役割を果たしたい」
「いま僕らがやらないと日本のバスケはよくなっていかない。その責任を感じてこれからも大会に臨んでいきたい」
それはロサンゼルスオリンピックという目標に対する責任であり、日本バスケットボール界の将来に向けた責任であり、少しうがった見方をすれば自分と前監督との対立によって刷新された新体制の代表チームへの責任でもあったかもしれない。

