- #1
- #2
野球クロスロードBACK NUMBER
「36イニング連続無得点」は打破でも…夏の甲子園“11連敗中”鳥取県勢の胸の内は? 県大会で“打率9割”打者は「野球以外のこともしっかりと」
text by

田口元義Genki Taguchi
photograph bySankei Shimbun
posted2026/08/16 17:01
甲子園初戦で岡山学芸館に敗れた鳥取城北ナイン。夏の甲子園で鳥取県勢の連敗は11に伸びた
打線も4回以降は沈黙した。とりわけ「9割バッター」の宮野が、相手エースの田路惣一朗に4打数ノーヒット、1三振と完璧に抑え込まれたのが響いた。
宮野が自責の念を吐く。
「苦手なコースだったり、球種であったりっていうのが『バレているんじゃないか』と思ったくらいで、かなり分析されていたんだなって思いました。自分が打てなかったことが、大きな敗因になってしまいました」
ADVERTISEMENT
ピッチャーが打率1割台のチームに攻略され、9割バッターが封じ込められてしまう。鳥取城北の完敗だった。
監督の加藤が悔しさをにじませる。
「相手は非常に粘り強く、圧倒してくるチームでした。予選と違ってピッチャーは簡単に打たせてはくれないですから、そこを打ち崩して、しっかりと点を守り切らないと甲子園では勝てないと、再認識しました」
また、鳥取勢の連敗脱出への旅が始まる。
11連敗のうち5敗を喫した鳥取城北ではあるが、それだけに「甲子園で勝つ」という気概は鳥取のどの高校よりも強い。
キャプテンの山本が後輩に想いを託す。
「1年生と2年生のメンバーが多いんで、甲子園を経験した選手が秋からチームを引っ張って。来年こそ、自分たちが達成できなかった『1勝』をしてほしいです」
「鳥取の野球少年に勇気を持ってほしい」
意志は受け継がれる。
スタメンで唯一の鳥取出身者であり、岡山学芸館戦でタイムリーを放った秦は、笑顔でこのように未来を語るのである。
「自分が打つことで、鳥取の野球少年とか中学生に勇気を持ってほしいというか。『甲子園でも勝てるんだぞ』って感じてもらいたくて試合に入りました。今年も勝てませんでしたけど、悔しい想いをしてきた先輩方のためにも、自分が鳥取の選手として、これからも努力をしていきたいと思っています」
鳥取よ、今こそ顔を上げろ、前を向け。
地元出身の秦の姿勢が、そう強く訴えかけているようだった。

