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試合直前にあった“伏線”「この表情を見てみなよ」3階級制覇・寺地拳四朗のトレーナーが明かす完勝ウラ側…34歳でも「もっと成長できる」と感じた理由
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渋谷淳Jun Shibuya
photograph byHiroaki Finito Yamaguchi
posted2026/07/24 17:55
3階級制覇を成し遂げた寺地拳四朗(34歳)。2度のダウンを奪う完勝劇のウラには、緻密な戦略と試合直前の“意外な伏線”があった
「これがユーリ(阿久井政悟)くんみたいな機動力のある足の動くファイターだったらあそこまでバックステップは使いません。そういうタイプだと1回受け止めないとどんどん体を浮かされてしまいます。あくまでゴンサレスに対してあの戦い方が有効だと考えました」
なぜ完封できたか? 各ラウンド「残り1分」の意識
2回、拳四朗の生命線であるジャブがゴンサレスの顔面をとらえ始める。そして右ストレートを合わせるとゴンサレスがグローブをキャンバスにつき、早くもダウンシーンが生まれた。2回が始まる前のインターバルで、赤コーナーでは次のような会話が交わされていた。
「下がってばかりだと当たらないから、相手のジャブに右を合わせていいよ。そう声掛けしたら、その通りにダウンを取ったんです。そこの嗅覚、感覚はすごいと思いました。言ってすぐにそのパンチでダウンを取りましたから」
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寺地はその後も、機動力を駆使し、ゴンサレスに思うようなボクシングをさせず、試合をコントロールし続けた。中盤、打ち合いに巻き込まれそうになるシーンもあったが、深みにはまる前に体を入れ替えてピンチを未然に防いだ。足を使って距離を取ること以外に、ペースを手放さなかった理由がもう一つある。
「ゴンサレス選手はラウンドの前半が強い。やりたいことをやってくる。でも、それが3分間は続かない。残り1分半、1分で動きが散漫になると言うか。だから残り1分半、1分を意識して突いていこうと。時間はいつも意識するんですけど、今回は特に強い意識を持って試合を進めました」
ツボにはまればうるさいゴンサレスを封じ込めた寺地は最終回にも右ストレートでダウンを奪って試合を決定づける。ゴンサレス戦に向けて用意していたコンビネーションの一つだった。
「左フックをフェイントに入れたワンツーです。ゴンサレスはワンツーに対して右に頭を倒して避けるクセがあった。左フックがくると思えば右には避けられないですよね。だから左フックをフェイントに入れてからのワンツーです。上手く当たりました」


