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「千年分の苦労を引き受けた」“任務”を終えた常盤山部屋おかみが振り返る、波乱に次ぐ波乱の日々…元横綱貴乃花からの電話に「ただただ呆然」
posted2026/07/24 11:01
仲睦まじい常盤山親方と、おかみのルミコさん
text by

佐藤祥子Shoko Sato
photograph by
Takashi Shimizu
相撲界のしきたりは“みづえさん”に教わった
今年1月の初場所を最後に、相撲部屋のおかみさんを“卒業”したのは、常盤山親方(元小結隆三杉)を夫に持つルミコ夫人だ。
「う~ん、卒業という言葉ではないんですよね。なんだろう……。そう、“任務完了”という言葉がしっくりくるんです。自分に課せられた役割を最後までやり遂げた感じ。今は、なんとか任務を終えてホッとしていると同時に、弟子たちと出会えたことにしみじみ幸せを感じている――それが正直な今の気持ちですね」
歌うような優し気な声でルミコ夫人は語る。部屋は元大関貴景勝の湊川親方に受け継がれ、今は「先代親方、先代おかみ」と呼ばれる立場となった。
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元FM局のアナウンサーであり、舞台演劇活動にも打ち込んでいたルミコ夫人は、「土俵の鬼」と呼ばれた元横綱初代若乃花の弟子だった隆三杉と、縁あって結婚。
「相撲界のしきたりやら御挨拶の仕方などは、すべて“みづえさん”に教えていただいたんですよ」
と若かりし当時を振り返る。みづえさんとは、今年3月に他界した元大関若嶋津夫人のことだ。人気歌手だった高田みづえさんは、同部屋の関取夫人として先輩にあたる。
「『ルミコ、2階に聞こえるように大きい声で“お疲れさまでございますー!”と言ってごらん』『はい! お疲れさまでございますっ』」『まだ声が小さいわよ~(笑)』なんて、楽しかったものです。その後も一門の冠婚葬祭の時にお会いしたりすると、声を掛けてくださり、ずっとご夫妻で私のことを気にしてくださっていたものです……」
一本の電話で穏やかな日々が一変……
1995年11月に現役引退した元隆三杉は、当時の二子山部屋(元大関貴ノ花。初代若乃花の二子山部屋と合併済)、のちに代が変わっての貴乃花部屋(元横綱貴乃花)の部屋付き親方となり、師匠を補佐する立場だった。ルミコ夫人は部屋の行事を手伝いに行くことはあったが、夫婦ふたりでの穏やかな日々を送っていたという。
しかし、そんな生活が一変したのは2016年4月のこと。ルミコ夫人の元に夫から電話があった。元関脇舛田山の千賀ノ浦親方が停年退職するに際し、なかなか後継者が決まらない。一門の枠を超えて千賀ノ浦部屋の継承を打診されたのが、夫だったという。

