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日程の限界? アルテタ監督「異例の4枚替え」も実らずホームで17年ぶりマンUに敗戦…強豪2連破の“キャリック旋風”に沈んだアーセナルの焦燥感

posted2026/01/27 06:00

 
日程の限界? アルテタ監督「異例の4枚替え」も実らずホームで17年ぶりマンUに敗戦…強豪2連破の“キャリック旋風”に沈んだアーセナルの焦燥感<Number Web> photograph by Getty Images

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田嶋コウスケ

田嶋コウスケKosuke Tajima

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 アーセナルが、手痛い敗戦を喫した。

 1月25日に行われたプレミアリーグのアーセナル対マンチェスター・U戦。首位のアーセナルは先制点を奪ったが、MFマルティン・スビメンディのミスからユナイテッドに同点弾を許した。さらに、マンチェスター・Uのパトリック・ドルグにミドルを決められ、逆転されてしまう。それでもアーセナルは意地を見せ、得意のセットプレーから2−2の同点に追いついた。 

 だが、ドラマはこれで終わらなかった。試合終了3分前、マテウス・クーニャに強烈なミドルを叩き込まれ、2−3で逆転負け──。3試合連続で勝利のないアーセナルは足踏みが続いている。

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 とにかくこの日のアーセナルには、いつもの力強さがなかった。

 アーセナルは試合の5日前に、イタリアでCLインテル戦を消化。移動を含め中4日でユナイテッドの大一番に挑んだ。FA杯、リーグ杯でも勝ち進んでおり、現在進行形でハードスケジュールが続いている。

 対するユナイテッドは欧州カップ戦への出場がなく、FA杯、リーグ杯も実質初戦で敗退。前節から今節まで丸7日間準備にあてることができた。試合数が少ないことに加え、監督交代のブーストもかかっており、この日も精力的に動いた。アーセナルは、ユナイテッドの出足の早さ、素早いカウンター、パワーに、最後は力負けした印象が強い。

 逆転されたアーセナルのミケル・アルテタ監督は、1−2と相手リードの状況で「異例の4枚替え」に打って出た。58分にヴィクトル・ギョケレシュ、エベレチ・エゼ、ミケル・メリーノ、ベン・ホワイトを同時投入し、試合をひっくり返そうとしたのだ。だがユナイテッドの固い守備ブロックに苦戦。この交代策で主導権を完全に握り返すには至らなかった。

 アーセナルは、ホームでユナイテッドにリーグで敗れたのは2017年が最後。しかも今季は、これまで先制した公式戦24試合で全勝していた。2つの記録が、音を立てて崩れた格好だ。

 試合後、アルテタ監督は「最初の30分は支配していたが、ミスで流れが変わった。ビッグゲームでは“魔法の瞬間”が必要で、彼らはそれを持っていた。とても痛い敗戦だが、選手たちを支えていく」と気丈に話した。

 一方、敵地に乗り込んだマンチェスター・Uは、前節シティ戦とほぼ同じアプローチで臨んだ。相手ボール時はミドルレンジで4−4−2の守備ブロックを作り、まず引いて構えた。ブロックは引きすぎることなく、それでいて最前線から執拗にボールを追い回すこともない。陣形全体をコンパクトに保ち、アーセナルの攻撃をまず寸断しようとした。

 マイケル・キャリック体制のユナイテッドを見ていて、思い出したチームがある。岡崎慎司が在籍したレスターだ。もちろん、選手の個性やクオリティは、まったくと言っていいほど違う。だが、当時のレスターも4−4−2で陣形をコンパクトにし、相手がゾーンに入ってきた瞬間にプレスを発動。サイドに誘導しながらボールを刈り取り、素早くショートカウンターを繰り出した。2016年に「奇跡のリーグ優勝」を成し遂げたレスターの姿が、今のユナイテッドのスタイルと重なって見えた。

 目を引いたのは、CFブライアン・ムベウモのエネルギッシュなプレーだった。前線を精力的に動き回り、相手ボール時はプレス、マイボールになれば相手DFラインの背後へと鋭く抜け出す。ユナイテッドの先制ゴールも、ムベウモがボールホルダーを囲い込むようにしてプレスをかけ、パスコースを限定した結果だった。スビメンディのミスを誘い、自らネットを揺らした。

 キャリック新体制はこれで2連勝。しかもマンC、アーセナルの強豪を撃破しての連勝だ。英紙『デーリー・テレグラフ』は「キャリックは即効性のある強烈なインパクトを残した。マンチェスター・Uを率いるには、巨大タンカーが進路を変えるような困難を伴うが、キャリックはそれを一気に動かした」と評価している。

 試合終了のホイッスルが鳴ると、アーセナルのホーム、エミレーツ・スタジアムに小さいながらブーイングが起きた。同時に筆者は、記者席裏にあるアーセナルファン用のコンコースへと足を運んだ。一刻も早くスタジアムを後にしようと、足早に帰路につくサポーターたちで溢れかえっていた。

 あらゆるところから聞こえてきたのは、彼らの口から発せられる「Fワード」だった。攻撃的で汚い言葉であるため、深い意味は割愛するが、とにかくファンの苛立ちは頂点に達しているようだった。

 さらにスタジアムの外に出てみると、筆者を襲ったのはおびただしい量のタバコの煙。ノンスモーカーの筆者は、思わず身をすくめた。場内は禁煙だが、一歩外に出れば喫煙可能となるため、ひとまず外に出て一服──というサポーターが極めて多かった。

 宿敵マンチェスター・Uに勝利していれば、2位マンチェスター・シティとの差は7ポイントに広がっていた。しかし、ホームスタジアムで手痛い敗戦──。マンCのエティハド・スタジアムでの直接決戦を残した状況で、両者の勝ち点差は「4」のままである。

 2004年以来、22年ぶりのリーグ優勝をめざすアーセナル。その思いはサポーターたちも同じだ。果たして、アーセナルは戴冠に手が届くのか──。

 スポーツサイトの『ジ・アスレティック』は、こう伝える。「もしアーセナルが今季タイトルを逃すとすれば、それは自らの手で転落を招いた結果になるのではないか。その感覚が日増しに強まっている」。

 アーセナルファンにとって、まさに「胃が痛む」ような優勝争いは、これからも続きそうである。

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