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「殺気を漂わせて打席に…」血気盛んだった栗山巧の“変化”「気持ちの入れ方がヤバいんです」盟友コーチも代打指令を躊躇した「凄まじい作業」 

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市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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posted2026/07/14 11:16

「殺気を漂わせて打席に…」血気盛んだった栗山巧の“変化”「気持ちの入れ方がヤバいんです」盟友コーチも代打指令を躊躇した「凄まじい作業」<Number Web> photograph by NumberWeb

盟友でもある栗山について語る赤田コーチ

 赤田が一軍コーチを務めていた際に最も気を使ったのが栗山への代打指示だった。

「気持ちの入れ方がやばいんですよ。代打起用が考えられる試合では、イニングを追うごとに徐々にベンチ裏で準備をするのですが、おそらく自分のなかでシチュエーションをイメージするんでしょうね」

 より詳細にイメージを膨らませるため、どんな状況で代打を告げられるのかを逐一、質問してきたという。

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「たとえばクリには『ランナーが得点圏に進んだら代打に行くよ』と伝えておいても、ランナーが進まずにスリーアウトになることもあります。『今回はナシで』と伝えると一度、集中した精神をほどくみたいに、フーって大きく息を吐くんです。行くぞ、行くぞと気持ちを高めていたところで一回、元に戻すその作業がすさまじくて……。あそこまで入り込んでいる選手をほかに見たことがありません」

「殺気を漂わせていた」若き日の栗山

 代打のタイミングが変わるたびに、その作業を繰り返す栗山の姿を見た赤田は「これは簡単に代打で行くぞとは言ってはいけない」と考えた。そして、こう先輩コーチに助言した。

「クリは準備の仕方が尋常じゃないので、こういうシチュエーションのときに行くと、完全に代打で行く時だけ本人に伝えたいんですって言いましたね。そのすさまじい作業を何度も繰り返して、無駄にスイッチを入れると、クリの集中力が分散されてしまうのではないかと怖かったです」

 ただし、ここ数年はわずかな変化が見られると赤田は語る。

「クリは若いころからバッティングへの執念が強くありました。何が何でもヒットを打ちたい、誰にも負けたくないという思いは人一倍、表に現れている選手でした。殺気を漂わせて打席に入っていました」

「ずいぶん柔らかくなりましたね」

 実際に血気盛んだった若き日の栗山は、デッドボールや、頭付近に来たビーンボールに対し相手バッテリーに向かっていく場面も多かった。

「とにかく自分の成績が大事で、そのためだけに集中して野球をしている印象です。もちろんその考え方に変わりはないのでしょうが、それでも、ここ数年はまとっている雰囲気がずいぶん柔らかくなりましたね。若い選手たちが何か質問をしに行ける雰囲気を、本人があえて出してくれている。以前の『誰も話しかけてくるな』というムードを出していたクリを知っていて『あいつはきっと変わらないんだろうな』と思っていたので驚きです」

【次ページ】 「有終の美を」盟友の思い

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