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「ビビるくらい下手くそだった」栗山巧が西武のレジェンドになるまで…赤田将吾が語る“栗山伝説”「中村剛也とは圧倒的な差が…」「深夜に響く打球音」 

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市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2026/07/14 11:15

「ビビるくらい下手くそだった」栗山巧が西武のレジェンドになるまで…赤田将吾が語る“栗山伝説”「中村剛也とは圧倒的な差が…」「深夜に響く打球音」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

現役最後のシーズンを送る栗山巧。まさにライオンズのレジェンドだ

あの姿を見て「ああやっぱりな、って…」

 どんな環境でも決して気を緩めない。その姿勢はたとえイースタン・リーグの試合に出場する予定がない日も一切変わらなかったという。

「試合前練習が終わるのが午前11時半ごろで、シートノックが始まるのが12時過ぎぐらいなんですけど、クリはグラウンドに出るのが早いんですよ。シートノックは受けないのに、めちゃ早い。おそらくセカンドアップ(試合前のウォーミングアップ)を行ったり、一人で準備したいことがたくさんあるからなんでしょうね。素振りをして、体だけじゃなくて心や脳を温める自分なりの準備の仕方がある。そういう姿勢も素晴らしいなと思いながら見ていました」

 試合で対戦するのは駆け出しの若い投手が多い。ベテランからすれば実力差や経験値にも大きな開きがある。

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「本当はダメなんですよ。でも、やはりベテランの場合、一軍と二軍では、1試合や1打席にかける気持ちが変わってしまう選手もいます。でもクリは全く変わらない。今シーズン、4月に一軍に上がって、すぐに1打席目でセンター前にヒットを打ったじゃないですか(18日・エスコンフィールド)。あの姿を見て『ああ、やっぱりな』ってファームでクリの姿を見ていた若い選手はみんな納得したと思うんですよ。二軍で準備をしていたからああやってヒットが打てるんだって……」

「来年どうするの?」って聞いたら…

 栗山が黙々と練習する姿を「修行僧」という一言で表現した。

 赤田は昨年、二軍野手コーチとして多くの時間を栗山の近くで過ごしたが、引退を決意するに至る兆候が見えていたのだろうか。

「ここ数年は周りの選手も首脳陣も、年齢的なことを考えて『来季はどうするんだろうね』みたいに言う声はちらほら聞こえてきていました。おそらくファンの方たちも思っていたことなんでしょうけれど……。僕、なんでも率直に聞いてしまう性格なのでクリに直接聞きましたよ。去年のイースタン・リーグの試合前だったかな。『来年、どうするの?』って」

 そのときは「やりますよ」「ああ、そうなんだ」で会話は終わったがシーズンオフに引退を発表した。

「引退することをシーズン前に発表するのは異例ですが、それだけファンの皆さんも一年、覚悟を持ってクリを見守れるでしょう。ファンのことを大切にしているクリらしいなと思いましたね」

 後編ではそんな栗山の姿のなかでも、特に赤田が驚いたという集中力について聞いた。

〈つづく〉

#2に続く
「殺気を漂わせて打席に…」血気盛んだった栗山巧の“変化”「気持ちの入れ方がヤバいんです」盟友コーチも代打指令を躊躇した「凄まじい作業」

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