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獅子の遺伝子BACK NUMBER
「ビビるくらい下手くそだった」栗山巧が西武のレジェンドになるまで…赤田将吾が語る“栗山伝説”「中村剛也とは圧倒的な差が…」「深夜に響く打球音」
text by

市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKiichi Matsumoto
posted2026/07/14 11:15
現役最後のシーズンを送る栗山巧。まさにライオンズのレジェンドだ
中村剛也とは「圧倒的な差があった」
現在もともに現役を続けている同期の中村とは、入団したころは差があったと語る。
「中村は高卒選手の1年目としては圧倒的に力がありました。最初に練習で見たときからスイングが強く、飛ばす力があった。『順調に行けば数年後には一軍でかなりのホームランを打つだろうな』とわかる逸材です。
でもクリは特に足が速いわけではないし、肩が強いわけでもない。最初、内野手でサードの練習をしていたんですけど、まともに捕れないし、送球もひどくて、ビビるぐらい下手くそでしたから。『ああ、こいつはバッティング一本で生きていくんだろうな』と思ったことを覚えていますね」
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高校時代は甲子園で活躍し、ドラフト上位で入団した赤田からすれば、それまで全国大会で対戦した有名選手たちと比較しても栗山には抜きんでた魅力はなかったと率直に語る。
「でも、負けん気だけは強かった。あれだけの練習ができる体の強さもあった。夜間練習の逸話もですけど、どんなに練習してもケガをしない。練習量で伸びてきた選手ですよね。おそらく昨今の、量より効率を重視するような時代だったら、ここまでの成績を残せる選手に育っていなかった可能性はありますね」
上半身裸で食堂に「さすがにそれは…」
練習と試合、寮生活で常に行動をともにしたが先輩として、栗山を厳しく叱った記憶はあまりないという。
「入団してすぐのキャンプ中に、アーリーワークで汗をかいたあと、朝ごはんを食べに上半身裸のまま食堂に来たことがあって……。食堂にはホテルスタッフも多いし、さすがに『それはアカンぞ』と注意したことはありました(苦笑)。でも、本当にそれくらいなんですよね」
懐かしそうに語る。
赤田は2024年まで一軍で外野守備・走塁コーチを務め、昨シーズンからは二軍野手コーチに配置転換された。昨シーズン、ほとんどの時間をファームで過ごした栗山の姿も間近で見続けている。
「首脳陣からしたら、本当にありがたい存在です。試合に対する準備、1打席にかける準備、そして熱意。今自分がいるのが一軍だからとか、二軍だからとか関係なく、野球に向き合う姿勢というものを、背中で示してくれる存在です。僕らが若手の手本になって欲しいなんて言わなくても、クリはそれを当たり前にやっている。生きた教材ですよ」


