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「妊娠したよ」白血病から生還した“最愛の夫”と涙の握手…「精子凍結を報告されたとき、初めて彼の悔し涙を見た」早川史哉の妻が語る“命の重み”
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早川史哉・真優Fumiya&Mayu Hayakawa
photograph byALBIREX NIIGATA
posted2026/07/13 11:02
J1通算100試合出場を記念したセレモニーでは妻・真優さんと息子の瑛翔くんも登場。家族3人で写真におさまった(2026年4月)
2023年4月18日、私は無事に2990グラムの男の子を出産した。
この日の彼は、アウェイの柏レイソル戦に向けての移動日で立ち会えなかった。〈無事に生まれたよ〉とメールで報告したとき、彼は新幹線の中だったらしい。すぐに喜びと労いの返信が届き、続けざまに〈隣の席にいる千葉(和彦)さんもめちゃくちゃ喜んでいるよ〉と送られてきたメールが、妙に嬉しかったのを覚えている。
その子の名を瑛翔と名づけた。
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名前については、2人でいろいろ考えた。「漢字よりも先に、どういう音にしようか」と話し合い、「海外でも呼んでもらえる名前にしたいね」ということになった。
将来は国内に限らず、海外へも羽ばたいて活躍する人になってほしい。そんな願いが込められている。
そうやっていろいろな候補を出しながら試行錯誤してたけど、私たちが出会った筑波大で彼が背負っていた背番号が8番だったことを思い出した。
そして、アルビレックスでは28番や18番を背負ってきている。そんなゆかりのある「8(エイト)」だったら、海外でもわかりやすいし、日本語読みにしても違和感はないと、まずは「えいと」という音にすることを決めた。
漢字をどう当てるかは、「早川」という苗字との組み合わせや画数などを考えて、いくつかの候補が出ていた。最終的には「水晶のように透明な光り輝く宝石」という意味の「瑛」と、何事にもとらわれず大きく世界へ羽ばたいてほしいという願いを込めて「翔」を合わせて、「瑛翔」と名づけることにした。
コロナ禍のため、私たちが退院するまで彼は面会できなかった。
それでも彼はいつも病院の駐車場まで来て、窓越しに私と瑛翔に向かって満面の笑みを浮かべて手を振ってくれた。
いつも冷静沈着な彼だけど、そのときは珍しくそわそわしているのが手に取るようにわかった。早く会いたくて堪らないんだろうなと愛おしく感じ、幸せを噛み締められる瞬間だった。
退院予定日だった4月24日も、彼はいつものように駐車場で待っていた。
そして、両手で瑛翔を抱きかかえると、目がクシャクシャになるほどの笑顔を見せていた。早くも子煩悩ぶりを全開にしている姿に、またしても「人間らしいな」と嬉しくなり、私も笑った。
こうして3人で歩み出す人生が始まった──。
一つ屋根の下で史哉と瑛翔と私の3人で生活する日々。
子育ても大変だし、本当に毎日が慌ただしく過ぎていく。そんななか、リビングで彼が瑛翔をあやしている姿を見て、ふと思ったことがある。
「ああ、こんな生活に憧れていたんだな……」
彼が闘病していた頃は考えられなかった光景が、今目の前に広がっている。
これ以上の幸せはないし、これがいつまでも続くといいなと思う。そして、史哉の命に心からありがとうを伝えたい。〈全3回〉
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