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テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
第2子誕生・大谷翔平の表情は「柔らかくなった」ドジャース取材舞台裏…パドレス女性スタッフが「明日、ブラジルが勝つわ」W杯トークになったワケ
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byMeg McLaughlin/Getty Images
posted2026/07/06 17:00
大谷翔平は例年、得意な6月に好調をキープ。第2子誕生もあり公私とも充実の日々だ
「きょうから来ました。またよろしくお願いします!」
私がそう声を掛けると、まず大谷から笑顔で「お願いします!」と返事が来て、その隣にいた山本も続いて「お願いします!」と応じてくれた。約2カ月ぶりだ。第2子誕生が発表されてから約1週間。まだ本人に何かを聞いたわけではない。ただ、2月から4月まで取材した前回の出張と比べると、どこか表情が柔らかくなったように感じたのは気のせいではないだろう。
台湾ルーツの記者がノルウェーを応援していた
そんなクラブハウスにも、W杯の熱気は届いていた。
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複数設置されたテレビモニターのうち、一台では必ずサッカー中継が流れている。通り掛かった選手が足を止め、試合展開に目を向ける。大谷が食い入るように見ることはなかったが、クラブハウス全体が4年に一度の祭典を楽しんでいる空気に包まれていた。
記者席も同じだった。試合を見ながら原稿を書き、合間にはタブレットでW杯を観戦する記者が少なくない。「ジ・アスレチック」のファビアン・アルダヤ記者はアルゼンチン系米国人としてアルゼンチンを応援し、MLB公式サイトのソーニャ・チェン記者は台湾にルーツを持ちながら、母親の母国ノルウェーを応援していた。
一つの国だけを応援するのではなく、それぞれのルーツを大切にしながら大会を楽しむ。そんな光景を見ていると、移民国家アメリカらしいW杯の楽しみ方なのだと実感した。
27日のパドレス戦で8勝目を挙げた山本も、試合後に投球の話を終えると、こんな話をしてくれた。調理師や英語の先生がサッカー経験者だと明かし「いろいろ教えてもらいながら見ています。『次はブラジル戦か』とか。(米国時間29日の試合は)できれば見たいですね。優勝を期待しています」と笑みを浮かべた。
その27日の試合前は、大谷の左膝に目が止まった。6月11日のパイレーツ戦で痛めた左膝には、青いテーピングのようなものが巻かれていた。私の見間違いでなければ、歩く際にはほんのわずかに左足をかばうような仕草も見られた。もちろん、162試合を戦うメジャーリーガーがシーズンを通して100%でいられることなどほとんどない。それでも試合になれば、その様子はほとんど見せない。
パドレスのスタッフに「明日はビッグマッチね」
翌28日には、ペトコ・パークのエレベーターで思わぬ会話もあった。
「日本人?」
女性スタッフに突然、声を掛けられた。
「そうです」
そう答えると、満面の笑みでこう返ってきた。
「私はブラジル出身。明日はビッグマッチね。ブラジルが勝つわ」
ほんの数秒のやり取りだった。それでも、スポーツには見知らぬ人同士の距離を一気に縮める力があることを改めて感じた。

