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プロチームと3年契約締結でも…“日本人初のNFL選手”は「まだ先」のナゼ 「キックはYouTubeを見て独学で…」レイダース・松澤寛政(27歳)の現在地
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北川直樹Naoki Kitagawa
photograph by Michael Clemens/Las Vegas Raiders
posted2026/06/11 17:00
NFLラスベガス・レイダースと3年契約を結んだ松澤寛政。一方で、「日本人初のNFL選手」にはまだ距離がある
「IPPのディレクターからは『一番成長できるようにやってほしい』と言われていて」
これは、端的に言えば松澤の実績を高く評価したうえでの特別扱いだ。だが、代償は明白だった。チームの不在である。
ハワイ大では練習場に出ればコーチがフィードバックをくれた。試合前に声を掛け合い、キックの直前に肩を叩いてくれる仲間がいた。勝てば全員で喜び、負ければ全員で沈んだ。歓声もロッカーの熱も、全部ひっくるめて松澤のフットボールだった。そのすべてがない。
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朝のストレングストレーニング、午後のキック練習、合間の食事と皿洗い。借りた部屋で、淡々とルーティーンを回した。
「最初は難しかったです。でも、チームに入ればまたそういう環境になる。それまでは、ちょっとの我慢です」
孤独な日々には、ひとつだけ新しい光があった。専属コーチに就いたニック・ノヴァク。メリーランド大からNFLサンディエゴ・チャージャーズ(当時)などで10シーズン活躍し、同球団の32連続フィールドゴール成功の記録を持つ元キッカーだ。
「7年くらい前から、YouTubeやSNSで見ていた方なんです。まさかその人から直接教わることになるとは」
そう言ったときだけ、一瞬、松澤の声が柔らかくなった。画面の向こうで見ていた“教科書”が、いまは目の前で自分のキックを見てくれている。全米トップまで上り詰めた男の「独学の時代」は、静かに幕を閉じようとしていた。
迎えた運命のドラフト…その結果は?
松澤が孤独なトレーニング期間を終えた4月23日からの3日間、ピッツバーグで2026年のNFLドラフトが行われた。
キックの専門職で、チーム内の枠に限りがあるキッカーがドラフトで指名されるケースはもともとそう多くはない。松澤に関しても、ドラフト前の指名の有無の予想は半々というところだった。

