Number ExBACK NUMBER

プロチームと3年契約締結でも…“日本人初のNFL選手”は「まだ先」のナゼ 「キックはYouTubeを見て独学で…」レイダース・松澤寛政(27歳)の現在地

posted2026/06/11 17:00

 
プロチームと3年契約締結でも…“日本人初のNFL選手”は「まだ先」のナゼ 「キックはYouTubeを見て独学で…」レイダース・松澤寛政(27歳)の現在地<Number Web> photograph by  Michael Clemens/Las Vegas Raiders

NFLラスベガス・レイダースと3年契約を結んだ松澤寛政。一方で、「日本人初のNFL選手」にはまだ距離がある

text by

北川直樹

北川直樹Naoki Kitagawa

PROFILE

photograph by

Michael Clemens/Las Vegas Raiders

 4月に行われたドラフト後に、アメリカンフットボールの最高峰・NFLのラスベガス・レイダースと契約した“Tokyo Toe”こと松澤寛政選手。日本のメディアに報じられることも増えたが、実はまだ「チームの一員」になったわけではない。彼は今、オフシーズン練習(OTA)の真っただ中だ。9月開幕のシーズンに向け、53人の最終ロースターでキッカーに与えられる“たったひとつのイス”を争っている。歴代日本人が辿り着けなかった未踏の地を目指す27歳に、現在地を聞いた。《NumberWebインタビュー全2回の1回目/つづきを読む》

 今年3月末のカリフォルニア。NFLのドラフトを約1カ月後に控えた松澤寛政(ハワイ大)は、誰もいない練習場で一人、ボールを蹴っていた。

「今までずっとカレッジでチームメイトとやってきたのが、ドラフトのプロセスで初めて一人になるというか。ちょっと不思議な感覚ですね」

 悲壮感はない。ただ、言葉と言葉の間にわずかな沈黙があった。

ハワイ大での昨シーズン…残した驚異的な数字

ADVERTISEMENT

 2025年シーズン、松澤は所属するハワイ大学でフィールドゴール成功率96.2%、開幕25連続成功という驚異的な数字を残した。

 シーズン開幕からの25連続でのキック成功は1982年以来のFBS記録に並んだ。ハワイ大学史上初のコンセンサス・オールアメリカンにも選ばれ、ルー・グローザ賞(全米最優秀キッカー賞)のファイナリストにも名を連ねた。

 その実績を買われ、IPP(※International Player Pathway、アメリカやカナダ以外の国籍を持つアスリートに対し、NFLでプレーするチャンスを提供するため通常のロースターとは別の枠を与えるNFLの制度)プログラムの対象選手にも選ばれた。

 一方で、松澤が過ごす環境は他のIPP選手とは少し異なっていた。通常、選出者はフロリダの施設に集まって集団で調整に入る。だが松澤は、コーチとの連携やキッカーという特殊性を考慮され、カリフォルニアに残って自主トレーニングの形を取った。

【次ページ】 迎えた運命のドラフト…その結果は?

1 2 3 NEXT
#松澤寛政
#ラスベガス・レイダース
#ハワイ大学

他競技の前後の記事

ページトップ