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「うわっ!」侍アナリストが驚愕…WBCで苦しんだ伊藤大海、菅野智之が“ブルペンで見せていた才能”「アジャスト能力がなければメジャーでは」
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広尾晃Kou Hiroo
photograph byDaniel Shirey/Getty Images
posted2026/05/22 17:03
伊藤大海に菅野智之。WBC侍ジャパンでアナリストが見た「真の実力」とは
「そうですね。今回もダルビッシュ選手がチームに同行しましたが、彼が何か言う前に、すでにみんなが1球ごとに見る習慣になっていました。キャンプに持ち込んだトラックマンは1基だけでしたが、投手はトラックマンで測れるレーンで投げたいから順番待ちの列ができることもありました。前回では考えられないことでした。
WBC以外にも毎年代表の大会があって、その都度代表チームが招集されます。僕は2023年以降、そうした大会にも参加させていただていますが、年々選手の理解度が深まっています。普段の各球団内でのデータ活用が年々進化して来ているのだと思います」
――投手はトラックマンのデータの何を見ていたんでしょうか。
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「多くの投手がボールの変化量を見ていました。前回から見ている投手は見ていましたが、今回は、ブルペンで投げているボールのデータがいつもと違うとしたら、何が違うのか。そこまで深掘りできるようになったんですね」
人気があったのは種市のフォークと…
――投手がタブレットを見ながら投球を修正していたんですか?
「そうです。データを見て『こういう風にしたらこういう球がいくんだろうな』と思って投げてみて、また修正する感じです。次の1球でもう変わっているみたいな感じで、3年前では考えられない変化でした」
――それは、NPBの投手が着実に進化したといえるのでは。
「数字の理解という点では、前回から着実に進化しています。それと、前回と違うのは、今回の投手達が他の投手のデータを見に行ったんです。もちろん前回も球を見てはいた。ただ当時は単にそれぞれの『球を実際に見てみたかった』という感じでした。でも今は〈数字〉を見る。変化球の回転数や変化量とかは、どんな数字なのか。そういうのを見て『自分の同じ球種とこんなに違うんだ』みたいな感じです。みんなで数字を見に行って情報交換するようになり、それだけピッチングに対する理解が深くなったんだな、と思いますね。侍ジャパンでは希望があれば他選手のデータや映像を見られるようにしていましたが、一番人気があったのは種市篤暉投手のフォークと伊藤大海投手のカットボールです。『あれは真似できない』と、みんなが言っていました」
佐藤輝明はMLB勢に引けを取らなかった
――トラックマンは打者のデータ計測にも使います。打者に関してはどういう使い方だったんでしょうか。

