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絶望していた木原龍一に…母から届いた“1通のメッセージ”「龍一くんのお母様の言葉には本当に…」三浦璃来も感謝、りくりゅうを変えた“転機”
posted2026/04/30 17:01
2019年、NHK杯で演技するりくりゅう
text by

野口美惠Yoshie Noguchi
photograph by
Kiyoshi Sakamoto/AFLO
※初出:Number1120号(2025年5月22日発売)[五輪プレシーズンを終えて]三浦璃来&木原龍一「本当の自分たちを取り戻した」※表記などは基本的にすべて初出時のまま
木原の母「あなたたちお葬式みたいね」
転機になったのは、12月末(編注:2024年)の全日本選手権。5年ぶりの出場が叶い、日本のファンの前で滑りを披露したにもかかわらず、キス&クライでは暗い表情でミスを反省した。すると木原の母が「あなたたちお葬式みたいね」とメッセージを送ってきたのだ。
「その一言で『あんなに楽しかったスケートが、いつの間にこんなに辛いものになっていたんだろう』とハッとしました。その時やっと、自分の問題だと気づいたんです。目標設定が高くなりすぎて、絶望し、自分を責めていたんです」(木原)
スケートから離れた期間も…復活まで
年末はそれぞれの地元に帰り、スケートから離れた時間を過ごした。木原は言う。
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「地元の友だちと会ってリフレッシュしながら『自分の考え方を変えよう!』と決めました。2人がペアを結成したころの映像を見返すと、今は全く違うレベルで演技が出来ている。これまで2人が頑張ってきたことを認めることができました。そこから目標設定を変えると、『2人で滑ることは楽しい』という気持ちを思い出していきました」
木原が本来の心を取り戻していく様子を、三浦もこう見つめていた。
「今思えば、ブルーノ(・マルコット)先生も指摘してくれていたんです。私達が練習でミスばかりにフォーカスしていると、『ちょっと待って。ここは良かったよね』とアドバイスしてくれる。でもその言葉を流してしまっていました。龍一くんのお母様も、遠くにいらっしゃるのに私達を理解してくれている。そうした人の一言というのが良かったと思います」
3月末、世界選手権の会場となるアメリカ・ボストンでは、いつもの調子を取り戻した2人。ホテルからリンクに向かうバスでも、こんな会話を繰り広げていた。
「試合終わったらどこ行く?」(木原)
「ビッグベン行きたい!」(三浦)
三浦が指差しているのは、ボストン金融街のランドマークの時計塔だった。

