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「お互いの心が違う方向を」現役引退の1年前、りくりゅうが明かしていた“苦悩の日々”「外食も増えて…体に出た」なぜ乗り越えられたのか?
posted2026/04/30 17:00
2026年4月28日、引退会見のりくりゅう。「お互いの心が違う方向を…」そこからどう立て直したのか?
text by

野口美惠Yoshie Noguchi
photograph by
Asami Enomoto
※初出:Number1120号(2025年5月22日発売)[五輪プレシーズンを終えて]三浦璃来&木原龍一「本当の自分たちを取り戻した」※表記などは基本的にすべて初出時のまま
2年ぶりの世界王者に返り咲いてから3週間(編注:2025年春)、凱旋帰国した三浦璃来と木原龍一は、国内各地のショーや大会で、トレードマークともいえる幸福感あふれる笑顔を振りまいた。シーズン前半、2人が窮地に追い込まれていたとは、想像もつかない笑顔だった。
練習拠点のトロントへ帰る直前に行ったインタビュー。木原は苦笑いしながら語り始めた。
まるで漫才…2人の掛け合い
「2人の良い関係性が戻ったなと感じたのは、世界選手権の朝の公式練習で、三浦さんがタイツを忘れて衣装チェックができなかった時でした。シーズン前半の僕だったら『何でこんな時に!』と思っていたかもしれない。でもそこで『三浦さんの忘れ物は、良いこと』と思って、笑うことができたんです」
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なぜ、忘れ物をするのが良いことなのか。すると隣にいる三浦が解説する。
「龍一くんは『璃来ちゃんは忘れ物したほうがいい。それだけスケートに集中してるってことだから』って言ってくれるんです。シーズン前半はむしろ忘れ物をしていませんでした。だから世界選手権のときはいろんな物を忘れました(笑)」
9歳上の木原が三浦を精神的に支える。そこに2人のバランスがある。
「三浦さんはすごく強いアスリートなので、やる気スイッチが入ったときは絶対に大丈夫。そのためには三浦さんが忘れ物も気にしないで自分に集中できるよう、僕がカバーすればいい。そのパターンをはっきりと確認できたのが世界選手権でした」(木原)
「それが私達のスタイル!」(三浦)
「これが僕達の『支え合う』ということ。一方的に補ってるけど」(木原)
漫才のようなキャッチボールが続く。
「でも、いつもの2人に戻るまで、すべての失敗をしたよね」
と三浦が言うと、木原もうなずく。
「失敗と成功から学びました」
2人が振り返る、パートナーシップの境地に至るまでの道のりとは――。

