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「どれほど美しい心を持った人間か…驚きました」三浦璃来・木原龍一への第一印象は“驚愕”だった…りくりゅうを支え続けた“重要人物”が伝え続けた言葉
text by

松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2026/04/24 11:01
ミラノ五輪で金メダルを獲得し、現役引退を発表した三浦璃来と木原龍一
失意の五輪SP後にコーチが伝えていた言葉
ミラノ・コルティナ五輪ではショートプログラムで5位と思わぬ順位になり、特に木原は失意に沈んだ。マルコットはこう語りかけたという。
「『まだ終わっていない』『信じること』を伝えました。8年前(平昌五輪)もブルーノ・マソとアリョーナ・サブチェンコ組が負けていたのに逆転しました。私はその場にいて、経験しています。その結果を2人に示しました」
フリーの大逆転劇への手がかりの1つとなっただろう。
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マルコットの言葉が2人にとって力となったのは、マルコットへの信頼があるからにほかならない。それを生み出したのはマルコットの真摯かつ誠実な姿勢にあっただろう。
りくりゅうとコーチの絆は、なぜ強くなったのか?
マルコットは、もともと三浦の才能を評価していた。
「(三浦を指導していた12歳の頃から)彼女は何か非常に特別なものがあると感じていました」
いざ木原の指導者となって、木原の魅力も知った。
「彼の才能の素晴らしさとともに、彼がどれほど美しい心を持った人間であるかに驚かされました」
マルコットの真摯さや誠実さを引き出したのは、そうした人柄にも理由があったかもしれない。
信頼を置くコーチがいて、強いつながりを築いた。それは「チーム」としての意識ももたらした。
「ポジティブなコーチ、ポジティブなパートナーがいるので、支え合って全員がポジティブになれる。このチームのよさが私たちの強みかなって思います」(三浦)
「そうですね。チームがポジティブ、チームの絆がものすごく強いというのが強みかな。僕たちはほんとうにどちらかが飛び抜けているわけではなくて、お互いがカバーし合って、さらにコーチがまた助けてくれる。チームの絆がほんとうに強みだと思います」(木原)
コーチとともにチームとして歩めた環境もまた、2人の足跡を支えた要因だ。だからマルコットにも、2人は感謝を捧げてきた。

