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WBCのデータで判明「じつはもう有効ではない」日本人投手の“落ちるボール”…「MLBに置いていかれる」アナリストが指摘した“日本プロ野球の問題点”
posted2026/04/04 17:12
データに基づいた“日本対策”で勝利を手にしたベネズエラのオマー・ロペス監督。イタリア、アメリカも撃破して頂点に立った
text by

NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Nanae Suzuki
「情報戦で負けていた」ベネズエラの日本対策
株式会社DELTAのアナリスト・宮下博志氏は「あくまでも結果に至るまでのプロセスに重点を置いて話したい」と前置きしたうえで、データが示す日本野球の構造的な問題点を明かした。
なかでも印象的な指摘が、日本投手の「落ちるボール」に関するものだ。「どのチームも、日本の落ちるボールを研究してきた節があります」と宮下氏は言う。2023年と2026年のWBCにおける日本の全試合を検証すると、落ちるボールを空振りさせた割合が低い上位3試合はすべて2026年の試合だった。かつて海外の打者に有効とされてきたフォークやスプリットは、もはや切り札とは言えなくなりつつある。
敗れたベネズエラ戦の投球チャートを分析すると、ベネズエラは「高めを狙い、低めは捨てる」という作戦を徹底していた。2フィート以下の落ちるボールに対するベネズエラの空振り率(Whiff%)は33.3%と低水準で、スイング率自体も日本より低かった。つまり低めを見極めたうえで、甘く入った高めの速球を仕留めていたのだ。「完全にチームレベルでのデータ分析、情報戦で負けていたのでは、と思わせられる数値です」と宮下氏は語る。
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さらに興味深いのが、勝利した韓国戦でさえデータ上のハードヒット率は韓国のほうが高かったという事実だ。KBOがピッチクロックや自動ストライク判定を導入し、メジャー仕様の環境を整えているのに対し、NPBの「超打低」環境では三振を奪うインセンティブが失われ、選手の意識にも影響が出ているのではないか、と宮下氏は問題提起する。
「ここから2年、3年と同じような環境が続くと、完全にMLBの水準から置いていかれてしまう可能性はあると思います」
記事本編では、「NPBで最も優秀なショート」が呼ばれなかった選手選考の検証から、日本プロ野球の環境改善策まで、さらに踏み込んだ議論が展開されている。
<本編に続く>
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