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「ピッチクロックやABSを導入すべきか?」侍ジャパンWBC敗退後の“重大論点”…日本とアメリカの大学野球を比較、実力だけではない“大きな違い”
text by

斎藤庸裕Nobuhiro Saito
photograph byNanae Suzuki
posted2026/03/28 17:00
WBC準々決勝、日本ーベネズエラ戦のスタジアムにて
「ちょっと驚きでした」早大野球部監督の本音
今やデータ収集は日本のアマチュア界でも浸透し始めているようだが、米国では球界トップの新システムに倣うスピードがとにかく速い。小宮山監督も「大学レベルでも審判が(投手の粘着物質の不正を)チェックしている。新しいことを次から次へ導入するっていうのは相当すごい。メジャーリーグがそうだから、予備軍たちもそうしないといけないみたいな空気があるんだろうけど、ちょっと驚きでした」と語った。
MLBでは今季からABS(自動ストライク、ボール判定システム)が導入されている。大学野球のあるカンファレンスでは、来年から取り入れる動きもあるという。おそらく今後も、米国でテクノロジーの発達はますます進んでいくだろう。大きく変わっていくベースボールに、選手たちは対応する。そのスピードも迅速だ。
アメリカからスターが生まれる“明確な理由”
第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、侍ジャパンは中南米の強豪ベネズエラに敗れ、準々決勝敗退となった。ピッチクロックやピッチコム、その他の新システムを導入すべきか否か、今後の日本野球の発展を危惧する声もある。日本人メジャーリーガーにそれぞれの意見があるように、要因は様々だろう。一方で、日本とアメリカでは土台作りで環境の違いが大きいのも否めない。
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例えば、ロサンゼルスの名門・南カリフォルニア大学では、スポーツ・トレーニング施設が改修され、その費用は総額32億円ほどになるという。野球だけでなく、各競技のトップアスリートがフィジカル強化やリカバリー、専門トレーナーによるマッサージも受けられるのは、世界で戦えるプロ選手の育成に最適の環境と言える。大学スポーツがビジネス化していることで、大企業のスポンサーからサポートを受け、潤沢な資金を得られる。それを競技発展につなげる。こうしたスムーズな循環が、世界トップレベルの選手を生み出す環境作りに寄与していると言っても過言ではない。

