- #1
- #2
マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
センバツで“番狂わせ”が起きやすい「まさかの理由」は? 指導者が語った「ヤレヤレ症候群」ってナンだ「集中力がなくなって、ケガしたりする」
text by

安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byJIJI PRESS
posted2026/03/27 17:03
春連覇を狙った横浜も今大会は初戦で敗れた
「選手たちが、ホッとしてしまうんですよ。まあ人間ですからムリもないことなんですけど、卒業式の時期でもあるし。進学する3年生を見ながら、自分はどうなるんかなぁ……とちょっと心細くなってる時に、先のことにパッと光が見えてくれば『ああ、よかった』ってね。そのせいかどうか、内定もらった子の野球が緩くなったりするんですよ」
アップの動きにスピード感がなくなる。今まで、全力疾走していた選手が、内野ゴロで走らなくなる。凡退して戻ってきて笑っている。
投手なら、走る量が減る。ブルペンでの投球練習が、球数を投げるだけの「作業」になっている。実戦で3ボールからあっさり四球を許す。
ベテラン指導者も頭を悩ます「ヤレヤレ症候群」
ADVERTISEMENT
「“ヤレヤレ症候群”って言っているんです、私は。選手の技量が停滞、退化するだけならまだしも、集中力がなくなって、ケガしたりするんですよ。これがいちばん怖い。見ていればなんでもなく避けられるバッティング練習の打球にボンヤリしていて当たってみたり、グラウンドの隅っこのくぼみに足を取られてネンザしてみたり……ね」
はっきり治療を要するケガや故障については、大学側に報告しなければならないという。
「センバツを控えた時期にチームにそんな雰囲気が漂ったりしたら、そりゃあ、イヤなもんですよ、私たちは」
心配の種は、選手たちにとどまらない。
「これで親御さんが動揺したりするんですよ。控えのピッチャーの進路が先に決まって、エースがまだ……とかね。先頭バッターが決まって、4番がまだ……とか。ウチの子のほうが上だと思っている親御さんは、『どうして〇〇君が先に決まって、ウチの子は?』みたいにうろたえたり、親御さん同士の雰囲気がギクシャクしたり。内定のタイミングっていうのは、大学によってケースバイケースでしてね」

