- #1
- #2
酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
ヤクルト戦力外→デロイトトーマツのコンサル→再びスポーツIT分野へ…「AIで分析して」「指導者の答え合わせを」久古健太郎39歳のセカンドキャリア
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2026/03/26 06:02
久古健太郎氏はヤクルトを戦力外となったのち引退し、興味深いセカンドキャリアを歩んでいる
——昨年、ジャイアンツタウンスタジアムで行われたライブリッツ主催「デジタル野球教室」で弾道測定器「ラプソード」などを使って中学生のデータを計測していましたが?
「デジタル野球教室は年に数回開催しています。選手が自身のデータを計測できる機会を提供しています。普段はチームに行ってデータを計測し、分析して、レポートを作っています。そのデータを管理できるアプリも作っています。
これまでは、選ばれた一握りの選手しかデータを使っておらず、パフォーマンスアップには結びついていませんでした。金銭面でもハードルが高かったですが、これを当たり前の世界にしていきたい、民主化していきたいと思っています。僕たちはデータをAIを使って分析してレポートにしています。人がやるよりもかなり効率的で、幅広いレポートが出せるので、その分だけコストも下げることができます。より多くのチーム、選手に活用してもらいたいと思っています」
まずは野球で成功事例を作って
ADVERTISEMENT
——野球の分野でのデータ活用のすそ野を拡げるわけですね。
「そうですね。今は野球をメインでやっていますが、他の競技にも横展開していきたいと思います。いろんな計測機器のデータを扱えるのはライブリッツの強みで、そのデータを横串にして様々な分野の分析ができます。
例えばトラッキングデータと体組成のデータを掛け算で見た時に、どういう傾向があるのか、ひとりの選手を継続的に計測していって、成長した時にどこに要因があったのかをデータで検証するとか。データ計測ができると、いろんな深掘りした分析ができます。
ライブリッツはいろいろなデータを扱えるようなプラットフォームを作っているので、野球だけでなく様々な競技で、これを活用することができると思います。まずは野球で成功事例を作って、他の競技に展開していきたいと思います。そのためにはマーケットなどいろいろ調査する必要がありますが」
一般的なセカンドキャリアと違う“ある背景”
——久古さんは、野球やスポーツ指導者をサポートするシステムの普及を目指しているということですか?
「そうですね、僕らは指導者にアドバイスをするよりも、指導者が普段、指導していることの『答え合わせ』の手助けをする感覚ですね。指導者が感覚的、経験的にやってきたことが、データで見ると『あ、こういうことだったんだ』みたいな。そういうデータ活用が広がっていけばいいと思っています」
久古氏は、一般的な「セカンドキャリア」とは別次元の実績を積んできたと言えるが、その背景には、それぞれの段階に応じた徹底的な「学び」があった。
プロでの実績をアドバンテージと思うのではなく、野球を通じて努力できたこと、学ぶことができたことを基盤として、アスリートの新しい「仕事のステージ」を作ろうとしている。
「野球離れ」が懸念される中、野球のすそ野を広げる活躍に期待したい。

