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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
WBCピッチクロックに飛ぶボール「日本野球には日本野球の良さが」で済まされない“MLBルール”の現実…大谷翔平と鈴木誠也は「OPS1、2位」だが
posted2026/03/20 11:04
大谷翔平と鈴木誠也が強打者の指標「OPS」でワンツーとなった一方で日本に突きつけられた現実は?
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Daniel Shirey/Getty Images
ピッチクロックとピッチコム、低めゾーンの対応
今回のWBCで、日本が課題を残したのはMLBのルールやプレー環境、いわばアメリカが作った土俵の上でプレーする際の適応面だった。
2025年11月15日、16日に東京ドームで開催された日韓戦はWBC仕様で行われたが、日本の投手陣はピッチクロックに戸惑うシーンがたびたび見られた(韓国では採用済み)。また、MLB流である「低めに厳しいストライクゾーン」に対応できていないようにも思えた。
WBC本番でも、象徴的な場面があった。
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準々決勝ベネズエラ戦、伊藤大海がトーバー相手に時間超過でボールを宣せられてから連打を浴びて走者をためると、ウィルヤー・アブレイユに逆転3ランホームランを打たれた。このようにピッチクロックへの対応が足かせになった印象だ。
また、ベネズエラの打者は低めに落ちる日本投手の球をことごとく見送ったが、MLBではこのゾーンはボールとして認識されている。スプリッターを駆使する日本の投球は、十分には通用しなかった。
捕手の若月健矢が、左腕にはめたピッチコムのボタンを見るシーンが何度も映った。NPBにはないピッチクロック、ピッチコムに侍ジャパンが苦しんだという一面もあったのは否めない。
日米の野球環境差に苦しむのは選手なのだ
これに加えて使用するボールの質も、である。
東京ドームで開催されたプールCでは、10試合で27本の本塁打が飛び交った。1試合平均にして2.7本。参考までに2025年、東京ドームで開催された巨人戦は65試合で両軍合わせて74本、1試合1.14本である。MLBの公認球はNPBのそれより明らかに「飛ぶボール」だった。
日本プロ野球が、今回WBCでの8強敗退を今後の国際大会への対策として深刻に受け止めるのなら、ピッチクロックとピッチコム、飛ぶボール(反発係数の調整)、さらには一塁から三塁ベースの大型化、牽制の回数制限、ワンポイントリリーフ禁止など、近年続々と導入されたMLBのルールへの対応を迅速に考えるべきではないか。

