テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「僕のユニホーム欲しいの?」チェコに神対応した大谷翔平がWBCで“まさかのバント安打”「野球小僧になった時…」栗山監督の大谷評が深い
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byYuki Taguchi/Getty Images
posted2026/03/14 11:02
2023年WBCチェコ戦での大谷翔平。3年前のWBCでも“神対応”をしていた
最後に大谷は「まだまだ気合を入れて優勝を目指して頑張るので応援よろしくお願いします」と力強く宣言し、地鳴りのような大歓声を浴びた。
帰りの球場通路。1次ラウンド4連戦を終えた大谷は取材対応が予定されていなかったが、ひと言でももらえる可能性を信じて他社の記者とともに大谷を追った。
報道陣の柵の向こう側でバスに向かう大谷に声を掛けると、立ち止まってふたつだけ質問に答えてくれた。
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2日連続で行っていた試合前フリー打撃に参加しなかった理由について私が尋ねると、「ちょっと疲れていると思ったので。いつも通りの感じで行こうかなって」と説明。2021年から始めたメジャーでのシーズン中と同じルーティンに戻し、記念すべきWBC1号を呼んだ。
「サトリア投手は制球が素晴らしかった」
大谷は今や日米の枠を超え、世界基準のスーパースターとなったと実感する出来事があった。
3月11日のチェコ戦で背番号16の三塁手スモラは三塁進塁時の大谷に「僕と同じ背番号だね」と話しかけた。すると大谷から「僕のユニホームが欲しいの?」と返され、「サイン入りで欲しいです」とお願いしたという。
一塁手ムジークは大谷に「サトリア投手は制球が素晴らしかった」と話しかけられ、すぐにナインに広めた。大谷が自身のインスタグラムにチェコの国旗の絵文字を添え「Respect(尊敬)」と投稿したこともナイン全員が把握している。
スモラは「クールな経験。彼は本当にグッドガイであることを証明している」と感謝していた。
大谷シフトを破ったセーフティーバントの意図
3月16日。負けたら終わりの準々決勝・イタリア戦に9−3で快勝し、出場チーム中唯一となる5大会連続の準決勝進出を決めた。「3番・投手兼DH」で出場の大谷は、4回2/3を2失点。
どうすれば勝てるか。大谷はそれだけを必死に考えていた。
負ければ敗退の準々決勝。大一番を前に栗山監督からは「どんな形でもいいからチームを勝たせろ」と伝えられた。チームを勝たせるための二刀流。0−0の3回1死一塁。初球にセーフティーバントを試みた。

