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スキージャンプ“物議の打ち切り”に残るナゾ「長野五輪では25人…なぜテストジャンパーが2人だけだった?」船木和喜が「残念ですね」と語った理由
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松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byTsutomu Kishimoto/JMPA
posted2026/02/23 17:00
スーパーチーム3回目の大ジャンプが反映されず、まさかの6位フィニッシュとなった二階堂蓮
札幌では「強引に成立させてくれる」
「たしかに札幌の試合など、雪が降っていても強引に成立させてくれるんですね。(2本で構成される個人戦なら)2本目の最後まで飛ばしてあげようという気持ちがけっこうあるんです。それを知っていると、今回、『なんで再開できなかったんだ』という声は上がると思います。
ではなぜそうできなかったかというと、日本とヨーロッパの環境の違いがあります。日本では雪が降るのは珍しいことではないし、札幌も豪雪地帯と言えると思います。ですから、雪が降った場合にどうなるのか、データも蓄積されていますし、どう対処すればいいのか、経験も持っています。
でもヨーロッパは、すごく乾燥していて、ないわけではないけれどあまり雪が降らないんですよ。ワールドカップが100試合あるとしたら、そのうち1試合か2試合しかないような状況がスーパーチームの試合で起こった。そうした雪の経験があまりなかったというところですぐに決まってしまった。しようがないですよね」
長野では25人…なぜテストジャンパーが2人だけだった?
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その違いを踏まえた上で、長野五輪団体では、25名のテストジャンパーがスタンバイして試合の中で何度も飛び、打ち切りが検討された際は全員がジャンプに成功して、続行にこぎつけた経緯がある。
スーパーチームの試合ではテストジャンパーは2名にとどまった。その人数の違いをどう捉えればよいのか。
「たしかに、テストジャンパーの人たちが飛んで成功したことで、『やりましょう』となりました。ただ、その当時と今とでは、ジャンプ台のレールのつくりが全然違うんですね。昔は、スキー板の軌道となるレールは、スタートしてから自然な雪の上を何人も飛んでいく中でできていました。溝がない試合もありました。自然な雪ですから、テストジャンパーが何人も飛ぶことで、レールもできていきます。
現在は人工的なレールがあって、人工的に氷を作って、その上を僕たちは飛んでいます。この人工的なレールというのが、氷の上に雪が入ってくると、急激にスピードが落ちてしまうんです。何度、何人テストジャンパーが飛んでも、状況は変わらない。だからテストジャンパーが2名じゃなくもっといて飛んでいても、状況に変化はなかった」

