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「正直悔しいですよ」井上尚弥陣営が心配していた敗者ピカソ“判定ならOK”の姿勢…現地記者が聞いた「(中谷戦の件は)申し訳ない…」試合直後に井上尚弥が語った本音

posted2025/12/29 17:31

 
「正直悔しいですよ」井上尚弥陣営が心配していた敗者ピカソ“判定ならOK”の姿勢…現地記者が聞いた「(中谷戦の件は)申し訳ない…」試合直後に井上尚弥が語った本音<Number Web> photograph by Naoki Fukuda

12月27日、井上尚弥vsアラン・ピカソ。サウジアラビア現地記者が見たウラ側

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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Naoki Fukuda

 サウジアラビアのリヤドで12月27日にゴングが鳴った「ナイト・オブ・ザ・サムライ」で、スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)、スーパーバンタム級12回戦に出場する中谷潤人(M.T)が勝利を飾った。両雄は来年5月に計画される東京ドーム対決に向けて大きく前進したが、ともに試合内容は満足のいくものではなかった。サウジアラビアで2人にいったい何が起こったのか。現地記者の取材レポート。【全2回の後編/前編へ】

◆◆◆

 試合会場となったムハマド・アブド・アリーナは、リヤドシーズンの巨大施設の一つであるブールバードシティの一角にある。現地入りした井上が「後楽園ホールくらいかと思っていた」と話していたように、当初は小さな会場との情報もあったが、実際には5000人以上は入れそうな規模で客の入りは7、8割程度といったところ。巨大スクリーンが設置され、演出が豪華なので、なかなか盛り上がっている印象を受ける。

 オープニングファイトでスーパーフェザー級の堤麗斗(志成)が4回TKO勝ちを収め、第2試合でライト級の今永虎雅(大橋)がスーパーフェザー級世界ランカーのエリドソン・ガルシア(ドミニカ共和国)に1-2で判定負けを喫した。勝った堤は「内容には納得していない」と語り、今永は勝負どころの8回にダウンを喫しての小差判定負け。ともに絶好調とは言い難いパフォーマンスで、サムライファイターたちにどこか重苦しい雰囲気が漂った。

「階級の壁を感じたか?」中谷潤人の答えは…

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 アラビアの地に長渕剛の『神風特攻隊』が響き、セミに中谷潤人が登場した。対戦相手のセバスチャン・エルナンデス(メキシコ)はWBC10位にランクされるタフボクサー。スーパーバンタム級進出第1戦の相手としては厳しいとも言えるが、井上との対戦を控えている中谷に求められるのはやはり「快勝」だろう。中谷は「あすはビッグバンが炸裂する」との予告通り、スタートから多彩な左を打ち込んで優位に立った。

 長身サウスポーの中谷が長い距離で相手をコントロールし、スッと距離を詰めてボディ打ちも決める。エルナンデスにダメージを与え、スパートしかけるシーンもあったが、タフなメキシカンはここからが真骨頂だ。パンチを被弾しながらもひるまず手を出し続け、得意の後半にかけて尻上がりに調整を上げていった。

 中谷は偶然のバッティングで右目を腫らし、気が付けば余裕はまったくなくなっていた。接近戦では細かくパンチをもらい、右目の腫れが悪化していく。

【次ページ】 「階級の壁を感じたか?」中谷潤人の答えは…

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