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「気合いを入れ過ぎたらダメ」“部員はほとんど塾通い”大阪の公立進学校野球部が気付いた「強豪私学に勝つ」秘訣とは?「練習の工夫は…別にないです」 

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沢井史

沢井史Fumi Sawai

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posted2025/12/16 11:03

「気合いを入れ過ぎたらダメ」“部員はほとんど塾通い”大阪の公立進学校野球部が気付いた「強豪私学に勝つ」秘訣とは?「練習の工夫は…別にないです」<Number Web> photograph by Fumi Sawai

秋大会では強豪私学にあと一歩で敗れ、ベスト8進出を逃した大阪府立生野高校。さらに上を目指すには、公立校ゆえ気の持ち方も重要になるという

 松本のストレートは130キロ台前半だが、自信を持っているのはコントロール。チェンジアップやスライダーなどをテンポ良く投げ分ける。だが、秋大会5回戦の興国戦は7回までリードを奪うも4-5で敗れた。吉村監督は言う。

「4回戦までは毎試合15安打前後打っていたのですが、興国戦は先発投手にアウトコースに丁寧に投げられて打ちあぐねてしまいました。先制されて逆転したものの、もうひと押しができなくて。(8回に)相手に2死満塁から走者一掃の三塁打を打たれてしまったんですけど、タイムをかけて申告故意四球からの満塁だったんです。そのあとに甘く入った球を打たれました」

 松本も「あの1球が……1球の怖さを知りました」と悔しさをにじませる。9回に1点を返すもあと一歩及ばず。やはり、この辺りまで勝ち上がると立ちはだかる私学の壁は厚い。4回戦では通用したことが、5回戦ではそうはいかない。

試合前は「気合いを入れ過ぎたらダメ」?

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 近年、生野高校はベスト16、32あたりまで進出できる大会が続いているが、そこからの壁の分厚さを毎年痛感しているという。そんな中で、吉村監督がこの秋あらためて思ったことがある。

「試合前にあまり気合いを入れ過ぎたらダメだなと思いました。(関大)北陽戦前、いつもなら絶対勝つぞ、という気合いを入れて臨むんですけど、自分たちがやらないといけないことをちゃんとやって、何よりも楽しんでやろうと。相手さんもプレッシャーはあるはずだから、(緊張のある場面で)相手も焦ってくれるから。そういう話をしていたらうまいこと事が進んだんです。

 でも、興国戦前は『ここを勝てば……』みたいな話をしてしまったんですね。本人たちはひとつひとつという気持ちだったと思うんですけど、やっぱりどこかでいけるかも、というのはあったかもしれないです」

 士気を上げる、闘志を掻き立てる意味ではそういった言葉を投げかけるのも必要かもしれない。だが、ちょっとした“欲”が時には仇になってしまう。そんなことを感じずにはいられない敗戦となった。

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