「今年の西武は“投手の年”のサイクル？」「最下位脱出の中日は『任せて安心』の本格派右腕をドラ1で」ドラフト全指名予想《西武・中日・楽天編》 

　4位・高木快大（中京大）は、昨年の右ヒジ手術さえなければ、上位指名も十分あった快速球右腕。地元・中京大の投・打の主軸を一挙に指名できたことになる。バックスピン抜群の回転数豊富な速球のクオリティは、今年の候補投手の中でも有数だ。好調時の、スイングの上方空間を通過していく快速球の勢いには、三重中京大当時の則本昂大投手（現・楽天）がそのまま重なる。

　そして、5位・持地唯吏（久留米商高）は無名の逸材。今年のドラゴンズが用意した「隠し球」ではなかったか。アベレージ130キロ台後半の速球に曲がり幅の大きなスライダー、カットボールにシンカー。特に、左打者の外にスライダー（バックドア）の軌道を作り、シンカーで併殺に仕留める技術はなかなかのもの。コントロールで三振を奪える資質を有する大型サイドハンド。

　正面のゴロをエラーされても動揺を表に見せず、チェンジになって戻ってくる野手を笑顔でねぎらう「出来たヤツ」だ。

楽天は今年も「明治大」…チームを去る先輩も

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【東北楽天ゴールデンイーグルス　2025年ひとりドラフト指名選手】

1位　毛利海大　22歳　投手　明治大　177cm77kg　左投左打
2位　平川蓮　21歳　外野手　仙台大　187cm91kg　右投両打
3位　谷脇弘起　23歳　投手　日本生命　184cm85kg　右投左打
4位　稲川竜汰　22歳　投手　九州共立大　183cm87kg　右投右打
5位　鈴木蓮吾　18歳　投手　東海大甲府高　177cm70kg　左投左打

【東北楽天　総評】

　昨年の宗山塁内野手に続いて、今年も明治大から1位・毛利海大投手。その陰で、楽天の苦境の時期もチームを支えた阿部寿樹、島内宏明。2人の明治大OBがチームを去ることも覚えておきたい。

　2季連続でエースとして奮投する毛利投手の何よりのアドバンテージは、いつもコンスタントに実力を発揮して勝利に結びつけ、大崩れしない「任せて安心」の安定感だ。

　どっしりと重心が低く、タメの利いた再現性の高い投球フォームなので球道が暴れず、アベレージ145キロ前後の速球にスライダー、落差の大きなカーブ、チェンジアップとの緩急でタイミングを外し、アウトを重ねる。

　もう一つの大きな長所は、左打者の内角を速球とスライダーで突ける技術を持っていること。これがあるかないかで、プロで働けるか否か、左腕の分岐点になる。

　今の楽天投手陣なら、春のキャンプでのオーバーワークさえなければ、オープン戦、ペナントレースで一軍の一角にランクされるはず。1年目は中継ぎからでも、いずれは先発ローテーション候補だ。

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