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「ササキと信頼関係を築くのは時間がかかった」ドジャース関係者が重要証言…佐々木朗希23歳が復活したウラ側、投手スタッフ「下半身と肩を変えた」
posted2025/10/06 17:04
フィリーズとの初戦。佐々木朗希(23歳)は5-3の9回から登板。1回を1安打無失点で抑え、メジャー初セーブをマークした
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生島淳Jun Ikushima
photograph by
Getty Images
アメリカで、ドジャースのブルペンはなんと表現されてきたか?
The House of Terror 「恐怖の館」だ。
先発投手陣が素晴らしい投球を披露しても、ブルペンの投手たちが出てくると、それは恐怖へと変わる。
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9月6日、オリオールズ戦で山本由伸が9回2死まで相手打線をノーヒットノーランの快投。しかし最後の最後に被弾して降板する。それでも3対1とリードしていたわけだから、勝ち投手は揺るがないだろうと思っていたら、あれよあれよという間に逆転負け。
9月16日には、大谷翔平が先発し5回無失点、4対0とリードしてブルペンに託すと……6回に6失点、同点に追いついたあとの9回には3点を献上し、チームは敗れた。
とにかく信じられない逆転負けを喫することが多く、先発がマウンドを降りた後は、恐怖でしかない。後半戦に限ってみれば、ドジャースのブルペンの防御率はメジャーワーストであり、ポストシーズンで期待値が低い理由は、ブルペンの脆弱性に尽きる。
「なにかがおかしい…」マイナーでも苦しんでいた
そこに、「救世主」が出現した……かもしれない。
佐々木朗希である。
フィリーズとの地区シリーズの初戦、佐々木は1安打を許したものの、堂々たるクローザーぶりで、ドジャースは5対3で逃げ切った。
佐々木は11球中ストライクが9球、100マイル(約161キロ)を超えるフォーシームは4球、スプリッターも88マイルをコンスタントにたたき出した。
ひと月前までは、ドジャースのポストシーズンのプランに入ってさえいなかった佐々木に、いったい何が起きたのか?

