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「最悪のシナリオ」だったハズが…1カ月後には「支配的な投球」に? ドジャース・佐々木朗希の現在地 現地メディアも二転三転の“リアル評”
text by

一野洋Hiroshi Ichino
photograph byNanae Suzuki
posted2025/09/13 06:01
マイナーでのリハビリ登板が続くドジャースの佐々木朗希。当初は厳しい声も聞かれたが、ここへきて現地メディアの評価も変わりつつある?
短期決戦のポストシーズンを見据えては、ブルペンを厚くするためにカーショーを救援に回すプランまで浮上している。佐々木が復帰できたとしても、いきなり先発ローテに食い込む可能性は低く、ロングリリーフなど“限定的な役割”にとどまるのが現実的だろう。もちろん状況次第では、救援の枠にすら入れずシーズンを終える展開もまだ十分考えられる。
一方でファンはどう見ているのだろうか。その反応は割れている。
アメリカの掲示板型SNSである『Reddit』のファンコミュニティでは、9月9日の登板について「疲れても97~98マイル(約156.1~157.7キロ)を投げていた。良い兆候だ」と球速維持をポジティブに評価した。一方で「制球の問題は相変わらず……それでも期待しているが、不安もある」と指摘する声もあり、制球難への懸念は根強い。球速復調を前向きに捉える声と、制球不安を危惧する声が同時に存在しているのが現実だ。
佐々木は「すぐには大丈夫と言えない。しかし…」
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「佐々木朗希は本当に大丈夫なのか――?」
諸々の現地評を総合すれば、現時点での答えは「すぐには大丈夫と言えない。しかし可能性は失われていない」という玉虫色のものにならざるを得ない。
マイナーでの数字は不安定だが、球速の復調や試合中の修正力は確かに見え始めている。ロバーツ監督の言葉の変化は、彼が「結果を出せば一気に評価を変えられる存在」であることを示す。
現実的には今季中の戦力化のハードルは高い。だが、見切るには早すぎる。ドジャースにとって佐々木は“未完成のダイヤモンド”であり、磨く価値のある素材だ。
指揮官が口にした9月2日の厳しい評価と、9月9日の期待を込めた言葉。そのわずか1週間での変化の大きさこそ、佐々木の持つ潜在能力の大きさを象徴しているのかもしれない。
<つづく>

