「ミラ・ハヅキ…って誰？」日本人が知らない“昭和スポ根アニメ”大ヒットの謎『アタックNo.1』だけじゃない異国イタリアのバレー少女に刺さった名作

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　現在、激戦が繰り広げられている世界バレー。女子の優勝候補最右翼は、昨年のパリ五輪で金メダルを獲得し、今夏のネーションズリーグでも2連覇した女王イタリアだ。

　バレー王国イタリアの隆盛は選手や指導者の長年にわたる情熱や献身の賜物だが、その源泉をたどると「ミラ・ハヅキ」という、聞き慣れない名の日本人選手にたどりつく。同国の重鎮バレー記者ジャンルカ・パジーニ氏は断言する。

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「ミラを応援したことがない選手など、今のセリエAに誰一人いないだろうね」

絶大な人気を集める『アタッカーYOU！』

　ミラ・ハヅキとは『ミラ・エ・シロ』の現地タイトルで親しまれた日本のバレーアニメ『アタッカーYOU！』の主人公名だ。

『アタッカーYOU！』こそ、1980年代中盤以降のイタリアと欧州に広くバレーボール人気を定着させ、今も世界のトッププレーヤーたちから絶大な支持を集める金字塔的アニメといえるだろう。

　1990年代から長く女子イタリア代表の顔だった美女フランチェスカ・ピッチニーニや2002年世界選手権MVPのエリザ・トグト、名司令塔だったエレオノーラ・ロ・ビアンコら歴代の名手たちは「TVにかじりつきになって観たわ」と口を揃える。「両親が共働きだったから子供の頃はTVが友達だった」というパリ五輪MVPパオラ・エゴヌも『ミラ・エ・シロ』の大ファンだ。

長年の強化が実り、パリ五輪で金メダルを獲得したバレーボール女子イタリア代表。MVPを獲得したエゴヌ（前列右）らに『アタッカーYOU！』は大きな影響を与えたのだという　©︎Getty Images

　女子のみならず、パリ五輪準々決勝で日本を倒したイタリア男子代表のエース、OHアレッサンドロ・ミキエレットとOPダニエレ・ラヴィアの2人に至っては、国営放送RAIのバラエティ番組で『ミラ・エ・シロ』のパロディショーを嬉々として演じたこともある。

　なぜ『ミラ・エ・シロ』＝『アタッカーYOU！』は、異国で大ヒットしたのか。

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