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ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
「大きなニュースになったのは…」KENTAが明かす“10年以上ぶりNOAH再入団”の全真相…「得意技禁止」「ケガさせるのは重罪」のWWEを経た現在
text by

堀江ガンツGantz Horie
photograph byNOAH
posted2025/07/16 17:01

WWE、新日本を経てNOAHに再入団を果たしたKENTA
「ヒデオ・イタミという名前をなんとか好きになろうとしたけど、最後まで馴染めなかったですね。在籍中、しっくりくることが一度もなかった。名前も技も変えられてしまったことで、なかなか自分の闘いができなかったです。でも、同時期にWWEに入って、同じようにまったく違う名前に変わったフィン・ベイラー(元プリンス・デヴィット)は活躍しているわけだから。そこだけが理由じゃないだろうし。活躍する人はするし、ダメなヤツはダメだし、俺はWWEではダメでしたね」
「今のところ変に大きなニュースになったのは…」
WWEを退団後、KENTAは前述のとおりNOAHではなく新日本プロレスに参戦。新たな戦場でKENTAは、ヒデオ・イタミの呪縛から解き放たれて新たな魅力を発揮していった。
「新日本には割と自由にやらせてもらいましたね。NOAHにいた時は僕も若かったし、まだカッコつけたい時期でもあった。でも、WWEでうまくいかず、『これはカッコつけてる場合じゃない』となって、新日本ではありのまま、自然体でやれるようになった。なのでWWEを辞めて新日本を選んだ時は後ろめたい気持ちはありましたけど、新日本での経験があって今があると思えば、それも悪くなかったなって思えるようになりましたね」
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NOAHで一度はトップに立ち、その後、WWEでの苦闘や新日本での闘いを経て、ようやく現在の「KENTA」は完成したのである。そして今、NOAHでの新たな目標に向かって歩き始めている。7月19、20日に後楽園ホールで2日間にわたり行われるプロレスリング・ノア25周年記念大会『NEW DEPARTURE』は、自身の25周年と合わせて第2章の幕開けとも言えるだろう。
「14年ぶりにNOAHに戻ってきて、ファンの人たちに歓迎してはもらえましたけど、『よく帰ってきました、おかえりなさい』みたいな感じだけで終わるつもりはないですし、歓迎してもらったからには、自分がWWEと新日本で培ってきたものを還元していかなきゃいけないと思っていますね。せっかく戻ってきたからにはベルトもほしいし、上を目指していきたいと思っているので。今年、NOAHが25周年ですけど、僕自身もデビュー25周年なんで、何かを残したい。今のところ変に大きなニュースになったのは、お茶をかけられちゃったことだけなんで(笑)」
インタビューの最後の最後、今年5月の試合で入場時に観客の女性から口に含んだお茶を吹きかけられたネタをぶっこんできたKENTA。かつてNOAHの若きエースだった頃のクールで危険な雰囲気なだけではない、酸いも甘いも噛み分けてきた、44歳の自然体の魅力がそこにはあった。
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