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ダルビッシュ有「269日ぶり」復帰登板までの知られざる舞台裏…開幕直前に起きた“異変”「代名詞の球種を失う可能性もあった」39歳目前の新境地 

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山田結軌

山田結軌Yuki Yamada

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posted2025/07/11 06:01

ダルビッシュ有「269日ぶり」復帰登板までの知られざる舞台裏…開幕直前に起きた“異変”「代名詞の球種を失う可能性もあった」39歳目前の新境地<Number Web> photograph by Yuki Yamada

38歳、ダルビッシュ有が怪我を乗り越えてマウンドに戻ってきた

 調整を一時中断したのち、リスタート。慎重にリハビリを続け、5月14日にはメジャー復帰を見据えたマイナー戦でリハビリ登板した。3Aエルパソの一員として、敵地でのラスベガス戦で4回51球を投げていた。最速は96.8マイル(約155.8km)。しかし、その後、右肘の回復が順調ではないということで再び復帰は白紙に戻った。

 リハビリの再々スタート。6月14日にアリゾナのキャンプ施設で18球、同20日はぺトコパークで39球、同25日には1Aで51球、7月1日にも1Aで64球と段階を踏んだ。4度の実戦登板を経て、2025年の初登板に臨んだ。今回は実戦形式の投球練習のみでマイナー戦でのリハビリ登板は行わなかった。

日米通算204勝が目前…さらなる高みへ

「すごくこう……難しかったですし、何て言うんですかね……。色々と考えることも多かったですけれども、多くの人に助けられて、メディカルのスタッフにも支えてもらって、こうやってまたマウンドに立てた。本当に感謝しています」

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 次戦はおそらく中4日で12日(日本時間13日)のフィリーズ戦が予定されている。復帰後すぐに中4日で投げるのは、右肘の回復が“通常モード”に戻った証なのかもしれない。相手はナ・リーグ東地区首位を走る強豪だ。勝利投手になれば、日米通算で黒田博樹を抜き、204勝(MLB111勝・NPB93勝)となる。

 偉大な道を切り拓いて往くダルビッシュ。時計の針は、再び動き出した。

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