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ダルビッシュ有「269日ぶり」復帰登板までの知られざる舞台裏…開幕直前に起きた“異変”「代名詞の球種を失う可能性もあった」39歳目前の新境地
posted2025/07/11 06:01

38歳、ダルビッシュ有が怪我を乗り越えてマウンドに戻ってきた
text by

山田結軌Yuki Yamada
photograph by
Yuki Yamada
ついに帰ってきた。前半戦残り7試合で待望のカムバックだ。右肘の炎症で開幕から負傷者リストに入っていたパドレスのダルビッシュ有投手が7日(日本時間8日)のダイヤモンドバックス戦で2025年シーズンの初登板に臨んだ。同地区のライバルを相手に3回2/3で63球を投げ、3安打2失点。
「Yuuuuuuu!!!!!!」
マウンドを降りる背番号11には、大声援が降り注いだ。開幕から3カ月、やっとたどり着いたマウンド。サンディエゴのファンにとっても待ちに待った帰還だった。
“代名詞”を失う不安もあった
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「すごく不安もありましたけども、帰ってこられて良かったです」
ダルビッシュは充実した表情でそう振り返った。
右肘の状態を心配する日々。ダルビッシュは、自身の代名詞ともいえる大切な球種を失う不安を抱えていた。
「肘のことでスライダーを諦めなきゃいけないかもしれないということに直面した。それがちゃんと投げられたところは良かったです」
昨年10月11日、ドジャースとの地区シリーズ第5戦以来、269日ぶりのメジャーマウンド。リハビリの一環として迎えた今季初登板で、大切な球種を投げることができた。スライダーをはじめほぼすべての球種を駆使し、上々の内容を示した。左足を上げるタイミングに変化をつけ、セットに入る際には、打者が握りを判別できないようにグラブを揺らすように構えるなど、繊細な工夫も見せた。