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英国人記者がパニック「トミヤスは今、どこにいるんだ?」冨安健洋26歳、アーセナル電撃退団のウラ側…関係者らが明かす「10月ごろ復帰説も」
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田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images
posted2025/07/09 17:03

アーセナルを電撃退団した冨安健洋(26歳)
思い起こされるのは、冨安がピッチ上で見せた数々の輝かしいパフォーマンスだ。特に印象深いのは、2022年10月のリバプール戦で左サイドバックとして先発出場し、エースのモハメド・サラーを完全に封じ込めた試合。サラーが突破を図る場面では、冨安が巧みに足を入れてボールを奪取し、さらには反転してマイボールにするシーンもあった。エミレーツ・スタジアムには「スーパー・トミ! スーパー!」のチャントがこだまし、スタンドは熱狂に包まれた。
日本人離れしたフィジカルの強さに加え、敵を追い詰めるスピード、足元の確かな技術。冨安はすべての能力を高いレベルで兼ね備えている。さらに、左右の両サイドバックとセンターバックも器用にこなし、偽SBとして中盤ボランチの位置でも的確にボールを捌いた。
「個の力」ではブライトンの三笘薫に注目が集まりがちだが、プレミアリーグの取材を通して、冨安の個人能力に驚かされることは非常に多かった。それだけに、新シーズンでの復帰と、アーセナルでの完全復活を心から願っていた。
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しかし、その願いは叶わなかった。シーズンオフの7月4日、クラブは冨安との契約解除を発表した。
このニュースが伝えられると、筆者のもとには3人の現地記者からメッセージが届いた。
3人に共通していたのは、契約期間を1年残したタイミングでの放出に「とても驚いた」ということ。少なくともアーセナルでは、契約下にある負傷離脱中の選手を、契約を解除して放出するのは異例だという。そして、3人が口を揃えたのは「素晴らしい選手だけに、とても残念」ということ。フィット時の冨安のパフォーマンスを目の当たりにしていた者なら、当然の意見だった。
関係者が明かした「復帰タイミング」
複数の現地記者に聞く中で、今回の退団劇の輪郭がおぼろげながら見えてきた。
まず契約解除の提案を先に持ちかけたのはクラブ側だったという。『タイムズ』紙の記者は次のように証言する。