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「トヨタかアメリカの大学か…迷った時期もありました」身長163cm、女子バスケ日本代表・山本麻衣(25歳)がWNBAを目指す理由「小さい選手でも道はある」
text by

宮地陽子Yoko Miyaji
photograph bytoyota_antelopes
posted2025/06/12 11:02
WNBAダラス・ウィングスのキャンプに参加した山本麻衣(25歳)
山本の挑戦の大変さや意味をよくわかっている人が、彼女のすぐ近くにもいる。アンテロープスのヘッドコーチで、2008年、今の山本と同じ25歳のときにWNBAフェニックス・マーキュリーで23試合に出場した大神雄子だ。大神は5月10日に行われたプレシーズンゲームでウィングスと対戦するために、チームを率いてダラスを訪れていて、17年前に自分がWNBAに挑んだときを思い出していた。
「自分はどちらかといえばノリと勢いで(WNBAに)行った感じでしたけど、彼女はしっかり準備していくタイプ。でも実際に来てみると、思っていたのとはまた違う。いろんな外的要因が常に入ってくるじゃないですか。準備してきたけど、そういったことにまたアダプト(適応)しなきゃいけない。多分、彼女はそういうことに追われているんだと思います。ま、でもそういうものです。非日常に来ているので」
非日常を経験することで、新たな学びがあって、成長できる。それもチャレンジの重要なところだ。
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山本も、新しい世界に挑むことで成長しようとしている。同じように去年秋からアメリカに渡り、24-25シーズンにNBAのメンフィス・グリズリーズの2ウェイ契約選手として活動していた河村勇輝のプレーも参考になるという。172cmの河村は、シュートのリリースやアーチを変えることでシュート力を磨き、Gリーグで自分より大きな選手を相手に活躍を見せていた。
「河村くんのプレーを見ても、大きい選手に対してジャンプシュートが効いていた。それを見て小さい選手でも道はあると、改めて思いました」
しかし、多くの経験を積んだ山本だったが、ウィングスから契約解除を突きつけられた。
〈後編に続く〉

