- #1
- #2
日々是バスケBACK NUMBER
「トヨタかアメリカの大学か…迷った時期もありました」身長163cm、女子バスケ日本代表・山本麻衣(25歳)がWNBAを目指す理由「小さい選手でも道はある」
text by

宮地陽子Yoko Miyaji
photograph bytoyota_antelopes
posted2025/06/12 11:02
WNBAダラス・ウィングスのキャンプに参加した山本麻衣(25歳)
山本に、ウィングスのトレーニングキャンプで一番驚いたことは何かと聞くと、「(選手たちが)何も気にしないというのが、本当に気にしないこと」と返ってきた。どの選手も、まわりへの気遣いは二の次で、まずは個々に自分の力を発揮しようとしていた。日本とは違う選手のサイズや能力の高さはもちろん感じたのだが、それ以上に、そういったメンタル面での違いに驚かされたのだという。
「本当に勝負の世界なので、そこで自分のパフォーマンスを出すことが一番で、その主張がすごいなって思います」
じっくり実力を認めてもらう時間はない
環境による面もある。WNBAのトレーニングキャンプはわずか20日弱で、しかも、その間にプレシーズンゲームを各2試合ずつ行い、その過程でロスターを絞っていくのだ。ウィングスの場合はキャンプが始まって6日目には試合があり、その翌日には2人の選手がカットされていた。
ADVERTISEMENT
「すごくシビアな世界ですし、(試合の)次の日にはもういなくなっている。いつが(自分にとって)最後なのかわからないという状況で、本当にシビアだと思います」
日にちをかけてじっくり自分の実力を認めてもらうような世界ではない。チーム自体も完全に仕上げて開幕を迎えるわけでもない。そういった厳しいなかだからこそ、重要になってくることがある。
「短期間でやるからこそ、自分の実力をその1回のポゼッションに出すというこだわりだったり、勝負強いところが文化として構築されていくのかなって思います」
その経験が、短期間での勝負強さや適応力にもつながっていく。オリンピックで感じた、アメリカの圧倒的な強さの土台にあるカルチャーだ。


