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浅野翔吾「強いジャイアンツを引っ張っていきたい」プロ3年目の大器が描く未来像と、岡本和真に贈った「めちゃくちゃ美味い」お歳暮とは 

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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photograph byHideki Sugiyama

posted2025/03/27 10:00

浅野翔吾「強いジャイアンツを引っ張っていきたい」プロ3年目の大器が描く未来像と、岡本和真に贈った「めちゃくちゃ美味い」お歳暮とは<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

春季キャンプでは精力的にバットを振り込んだ浅野

「5年後は25歳、レギュラーとして一軍で活躍する姿を想像したいです。10年後は30歳……それこそ勇人さんや和真さんみたいに、チームの中心として、強いジャイアンツを引っ張っていきたいし、色々な方から応援される選手になりたい」

 2025年、浅野は原点である故郷からスタートした。高松市のレクザムスタジアムなどで単独で自主トレを行ったが、浅野のためにと高松商業の同級生や先輩たちも駆けつけ練習を手伝ってくれたのだという。

「みんな帰省して遊びたい時期だと思うのに僕の練習を手伝ってくれて、『ほんま、お前が活躍してくれたらもうそれでいいから』と言葉をかけてくれた。色々な人が助けてくれて、改めて支えてくれる方たちに感謝するいい時間になったと思います」

 練習ではひたすらバットを振り込み、フリー打撃やティー打撃で400〜500スイングすることもあった。一方で武器であるスピードを生かしたプレースタイルを極めるために陸上の指導者にもアドバイスを求め、走力強化のトレーニングにも力を入れたという。そしてもちろん、食事の時間には自らの“ソウルフード”であるうどんを堪能。愛する故郷で、充実の時間を過ごした。

一軍での熾烈な生存競争

 高卒3年目の今シーズンに飛躍を期す。オープン戦ではバッティングで苦戦する場面もあったが、開幕に向けて少しずつ感覚を取り戻しつつある。3月15日のMLBドジャースとの練習試合、16日のカブスとの練習試合にも出場。結果は残せなかったが、大谷翔平らメジャーリーガーたちの一挙手一投足を目に焼き付けて自らの刺激とした。

 浅野が守る外野のポジションにはエリエ・ヘルナンデス、トレイ・キャベッジの両外国人が控えるが、一方で不動のレギュラーだった丸佳浩が開幕直前に故障するというアクシデントもあった。ベテランが抜けた穴を、若手選手たちの活躍で埋められるか。浅野はオコエ瑠偉や若林楽人、秋広優人らと熾烈な競争を繰り広げることになる。

「未来の目標のためにも、まず今年は一軍の戦力として見てもらえるようになることが一番大事だと思います。まだ一軍で1年間戦い抜いたことがないので、最後まで走り抜ける体を作り上げて実力をつけていきたいです」

 連覇を目指す巨人軍91年目のシーズン。次代を担う20歳の若武者は、飛躍の1年へ力強く踏み出す。

表紙には限定版・特別カバー装が3種あります。詳細は特設サイト「Side B with Number」でご確認ください。表紙には通常版に加え限定版・特別カバー装が3種あります。詳細は特設サイト「Side B with Number」でご確認ください。
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