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センバツで続く「21世紀枠が勝てない」問題…甲子園“12連敗”で考える「勝てないワケ」とは?「選ばれるまでは自信を持って推薦しますが…」 

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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posted2025/03/23 06:01

センバツで続く「21世紀枠が勝てない」問題…甲子園“12連敗”で考える「勝てないワケ」とは?「選ばれるまでは自信を持って推薦しますが…」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

21世紀枠で今春のセンバツに出場した神奈川・横浜清陵のナイン。初戦で強豪・広島商に敗れた

 試合後、監督の野原慎太郎も、開口一番「う~ん」と唸り、言葉を絞り出す。

「……選手を……なんて言うんですかね。チームを持ち直す術を持っていなかった、自分の責任を痛感しています」

 そう述べてもなお、「選手も私も、試合の途中まではいつも通り戦えていなかったのかもしれません」と俯瞰するのがやっとだった。

21世紀枠での出場校の連敗が「12」に…

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 前日の3月20日の壱岐に続き、横浜清陵も苦い敗戦を喫したことにより、21世紀枠での出場校の連敗が「12」に伸びた。

 この事実を野原に向けると「あまり気にしていないですね」とかぶりを振って続けた。

「自分たちを21世紀枠として見ていないですし、1月の選考で選ばれるまでは『出られないだろうな』と思っていたので。出場が決まってからも甲子園で勝つことだけを考えて練習してきましたので、そういうところはメディアの方が気にされることなのかな、と思っています」

 普段から「野球というスポーツをする以上は関係のないこと」と、チームには「公立だから」といった消極的な思考を排除して取り組むよう促している。それだけに、野原はチームに対して「21世紀枠で出場した」という特別扱いの意識を植え付けていないことはわかる。

 だからといって、21世紀枠が「勝てていない」という現実は変わらない。

 実はそこには実力だけでない「ある理由」があるように思う。

<次回へつづく>

#2に続く
センバツで「21世紀枠」選出校が12連敗中「うちのせいで制度の存在意義が…」出場校が抱える“恐怖”も…それでも21世紀枠が必要だと思うワケ

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