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「俺のライバル? いないなぁ」ヤンチャで“怒られた横綱”朝青龍…昔はガリガリ、泣いた日も「なんでわかってくれないんだ!」横綱・豊昇龍には大喜び
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byJIJI PRESS,Sports Grapnic Number
posted2025/01/31 06:00

横綱に昇進した豊昇龍。叔父は言わずと知れた朝青龍だ
ただ満場一致となった横綱審議委員会では、横綱との対戦がなかったことと同時に高砂親方に対して「品格面での指導を望む意見」もあった。
ライバルは…いないなぁ
<名言2>
今、自分にとって“ライバル”と言える力士は……、いないなぁ。
(朝青龍/Number591号 2003年12月11日発売)
◇解説◇
異例の昇進スピードでモンゴル人初の大関、横綱に昇進した朝青龍。しかしその快挙以上に彼の注目度を上げたのは型破りな言動だった。前述した通り、昇進時から“品格”には注文が付いていたが……その象徴はモンゴル人関取の先輩・旭鷲山との因縁だろうか。2003年5月場所で敗れたところから因縁が発生し、つづく夏場所でまげを掴んで横綱史上初の反則負けを喫し、その3日後の打ち出し後には風呂場で口論となった末、旭鷲山の車のサイドミラーを壊して騒動となった(その後、負傷を理由に途中休場)。
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冒頭の言葉はそんな波乱万丈の2003年を終えようとしたタイミングでのもの。“不遜”と取られても不自然ではないが……翌2004年初場所、武蔵丸の引退で一人横綱となった中で、自身初の全勝優勝を果たして黙らせてしまうのも「品格」を問われ続けた朝青龍らしいか。
横綱になった当初、朝青龍が泣いた日
<名言3>
俺を好きとか嫌いとかはどうでもいい。でも俺の相撲はみんな見たいんだよ。
(朝青龍/Number972号 2019年2月14日発売)
◇解説◇
朝青龍は“負傷療養中なのに母国で草サッカー騒動”、引退の引き金となった泥酔問題を筆頭に、トラブルメーカーの印象がついて回る。とはいえ土俵に上がれば、まわりを寄せ付けない圧倒的な強さを見せつけていた。歴代の幕内最高優勝回数を見てみると、記録に名を刻んだ力士ではある。
〈幕内最高優勝 歴代5傑〉
1位:白鵬 45回
2位:大鵬 32回
3位:千代の富士 31回
4位:朝青龍 25回
5位:北の湖 24回
上にいるのは白鵬と大鵬、千代の富士のみ。あまりの強さに“嫌われた”北の湖、そして若貴ブームをけん引した貴乃花(22回/6位)も上回っていた。
横綱になった当初は近しい人の前で「こんなに一生懸命やってるのに、なんでみんなわかってくれないんだ」と泣くこともあったという。本人が認識しているように、賛否があったのは間違いないが……朝青龍見た相撲ファン誰もが記憶に残る横綱だった。
