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「俺のライバル? いないなぁ」ヤンチャで“怒られた横綱”朝青龍…昔はガリガリ、泣いた日も「なんでわかってくれないんだ!」横綱・豊昇龍には大喜び
posted2025/01/31 06:00

横綱に昇進した豊昇龍。叔父は言わずと知れた朝青龍だ
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
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JIJI PRESS,Sports Grapnic Number
線が細くても「目がギラギラしていたな」
<名言1>
とにかく、目がキラキラ、いや、ギラギラしていたな。
(高砂親方/Number748号 2010年2月18日発売)
◇解説◇
2025年1月29日、3年半ぶりとなる新横綱・豊昇龍が誕生した。
今年の初場所は横綱の座を守ってきた照ノ富士が場所途中で休場したことで、春場所以降に32年ぶりとなる“横綱空位”が生まれかねない状況だった。その中で豊昇龍は9日目までに3敗を喫しながら、そこからの6連勝で12勝3敗。金峰山、王鵬との間で行われた巴戦でも連勝して、自身2度目となる幕内優勝を果たした。この結果を受けて横綱審議委員会から推薦され、日本相撲協会で昇進を決定した。
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25歳の新横綱誕生をSNS上で喜んだのは……叔父である朝青龍である。〈豊よー〉と短い言葉ながら、19歳年下の甥っ子の快挙を喜んでいる。
朝青龍は2000年代の角界で、頂点に君臨した第68代横綱である。あらためてその経歴を振り返ると、相撲史に残る1人であることは間違いない。
母国のモンゴル相撲で磨いた力から、高知・明徳義塾高校へ相撲留学すると、その実力を買った高砂(当時若松)親方のもとへと招き入れられた。初土俵となった1999年初場所から1年半で十両昇進を果たすと十両も2場所でクリアし、20歳にして新入幕を果たした。
史上最速の横綱昇進…ただすでに「品格面」の意見
冒頭の言葉は師匠が入門当時の朝青龍を振り返ってのもの。「稽古場で負けて悔し泣きする弟子は初めてだったので、驚いたものですよ」と語ると同時に線の細さが目立ったものの、筋力トレーニングを中心に鍛え上げた肉体とテクニックは幕内でも勢いはとどまるところを知らなかった。
入幕3場所で三役昇進を果たし、横綱昇進するまでに負け越したのは2001年の夏場所のみ。様々な技で相手に土をつけ続け、2002年には21歳9カ月で大関昇進、その大関でも秋場所に10勝5敗、九州場所で14勝1敗で幕内初優勝、翌03年の初場所でも14勝1敗で連続優勝を果たした。そして場所後に第68代横綱に推挙され、所要25場所での横綱昇進は史上最速だった。