「どう思う？」「これじゃダメだ」DeNA筒香嘉智がいま明かす日本シリーズ“選手ミーティングの真相”「普通にやったら負ける。勝ちたいなら…」 

「すごいピリッとしていました。試合では何か楽しそうにしている、っていう感覚でも見られていたと思いますけど、ベンチ裏とかスイッチのオンオフとかはしっかりしていた。行くぞ、ってなった瞬間に、みんなが一斉にポンってスイッチが入るような感覚だったんです。その感じが日本シリーズの経験を通じて、若い選手にも浸透していってくれたらいいなと思いますし、浸透したと思っています」

――今のベイスターズって若い選手も多いですし、勢いに乗れば強い。でもちょっと受け身になるとチーム全体がシュンとなってしまうような……その辺が昨年のペナントレースでも中盤からの失速につながっているようにも見えますね。

「そうなんです。昨年も僕がケガをした、ちょうどオールスター前くらいに、実は柴田と『ちょっとこのままだったら連敗するね』っていう話をしていたんです。何かそんな要素をチーム内にめちゃめちゃ感じたんですね。前半戦は順調に勝っていて、そこまで心配するようなことのないチーム状況だったんですけど、その頃から今まで普段できていたことが、みんなできなくなったり……。選手にも、スタッフにもそういう感じ、いうなら隙が見えてきたなって感じていた。そのときに僕がはっきり言ったらよかったなという後悔はありますけど、だからこそ今年は何とかそういうのをなくしたいなと思いますね」

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――もちろん筒香選手をはじめ、それぞれの選手が持てる力を発揮する、いい成績を残すというのは前提で、その上で昨年の日本シリーズで選手みんなが感じた献身性というか、チームのために自分に何ができるのかという思考が出てくれば、このチームはもっと強くなる、と。

「そうですね」

日本一への階段を登りたい

――ずっと話されていますが、連続日本一もそうですが、まずはペナントレースを勝つこと。リーグ優勝することが最初の目標になる。

「あの思いをもう一度、みんなで味わいたい」という筒香　©︎Yasushi Washida

「昨年の日本シリーズでチームに下地はできたと思います。あの感覚というのを忘れずに、選手みんながもう一回、キャンプに集合できるかどうか。まずはそこだと思います。勝った、日本一になったという結果だけが残って、その過程というか、あそこで何を自分が持って、どうしなきゃいけない、1、2戦は自分たちに何が足りずに連敗したのか、というものをキープできているか。みんながそれを持ったままこのキャンプに集まってくることを期待しています。もちろん分かっている人は分かっていると思いますし、もし分かっていない選手がいるんだったら、キャンプ中にも言えることは言おうと思っています」

――それが筒香選手の勝ちたいという思いの、意志の表れですね。

「昨年、日本シリーズで勝って、自分たちもそうですけど、あれだけファンの皆さん、南場オーナーを筆頭とするチームのスタッフ、関係者の皆さんにも喜んでもらうことができた。あの思いをもう一度、みんなで味わいたいです。次はやっぱりきっちりペナントレースを制して、日本一への階段を登りたいですね」

＜前編から続く＞